4日続伸 ダウ143ドル高、企業決算への期待高まる
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【市況】4日続伸 ダウ143ドル高、企業決算への期待高まる |
10日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比143ドル07セント高の2万4919ドル66セントと6月18日以来の高値で終えた。
週後半から始まる2018年4-6月期決算発表への期待感から買いが先行。金融関連株に売りが広がったものの、原油相場の上昇が好感され、堅調推移となった。
清涼飲料大手ペプシコがこの日発表した18年4〜6月期決算は、スナック菓子の販売が伸び、売上高と特殊要因を除いた1株当たり利益が市場予想を上回った。好調な業績を受けて、今後発表される米企業決算への期待が広がり、生活必需品株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。
航空機のボーイングも相場上昇に寄与した。10日付で4〜6月期の出荷実績を発表。6月末までの年間受注台数は460機となり、競合の欧州エアバスを大幅に上回ったのが好感された。
小売りのウォルマートが高い。傘下のネット通販会社がNYで当日配送を始めると伝わった。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ホームセンターのホーム・デポなど内需関連株の上昇が目立った。
S&P500種株価指数は2月1日以来の高値で終えた。
ダウ平均は午後に伸び悩む場面があった。銀行株が次第に売りに押され、相場の重荷になった。13日にJPモルガン・チェースなど大手銀行が決算発表を控える。前日に大きく上げた反動もあり、買いを手控える雰囲気が広がったとの声があった。
ナスダック総合株価指数は、前日比2.997ポイント高の7759.198で終えた。
マイクロン・テクノロジーやエヌビディアなど半導体関連株が上昇した。一方、バイオ医薬のバイオジェンがアナリストによる投資判断の引き下げを受けて下落。フェイスブックやネットフリックスも下げ、指数は一時下げた。
セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や食品・飲料・タバコが上昇する一方で銀行や運輸が下落した。
個別銘柄では、カジノ・ホテル運営のウィン・リゾーツ(WYNN)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け堅調推移。電気自動車のテスラ(TSLA)は、中国に年産50万台の生産能力を持つ工場建設を計画していることが報じられ買われた。
一方で、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは0.8%安。ケーブルテレビのコムキャスト(CMCSA)は、21世紀フォックス(FOX)の一部事業の買収が成功した場合に備えて、独占禁止法の観点から売却が必要となる地域スポーツネットワークの買い手候補を選定していると報じられたが、買収に伴うコスト増加への懸念から売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,919.66+143.07
S&P500種
2,793.84+9.67
ナスダック
7,759.198+2.997
米10年債利回り(%)
2.8674 +0.007
米2年債利回り(%)
2.5857 +0.02500
NY金(ドル/トロイオンス)
1,255.40 −4.20
NY原油(ドル/バレル)
74.20+0.09
円・ドル
110.93 - 110.94 −0.14

シカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。
9月物は前日比50円高の2万2235円で終え、大阪取引所の終値を45円上回った。米株高が好感され日経平均先物にも買いが広がった。
ペプシコが朝方発表した2018年4~6月期の決算が市場予想を上回ったのを受け、今週から本格化する米主要企業の決算に期待した買いが相場を押し上げた。
この日の9月物高値は2万2295円、安値は2万2150円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22235 ( +45 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22260 ( +70 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7692.04(+4.05)
FTSE100種総合株価指数は小幅ながら4日続伸した。前日9日の終値に比べ4.05ポイント高の7692.04で引けた。
この日のFT指数は7600台の後半から7700台前半の狭いレンジで方向感なくもみ合った。
構成銘柄の半数以上が上昇したが、取引は低調だった。
大型株の石油株が値上がりする一方で、主力の鉱業株は値下げし、指数の上げ幅は限定的だった。
個別銘柄では、英オンライン食品販売オカド・グループが9.0%高と大幅高で引けた。包装のDSスミスの上げも目立った。株主総会で同業他社との合併が承認されたことが買い手がかりになった。飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングと各2.9%高。酒類のディアジオも上げた。
半面、金属相場の下落を受けて鉱業株は全面安で引けた。なかでも資源商社のグレンコアの下げが目立った。アナリストが目標株価を引き下げたロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)を筆頭に銀行株は軒並み売られた。総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズ・グループは4.0%安、と水道のセバーン・トレントはは3.6%安と大幅安で引けた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12609.85(+65.96)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日9日と比べて65.96ポイント高の12609.85だった。
10日のアジア株が軒並み上昇した流れが欧州株にも波及した。
個別では、素材メーカーのコベストロ、アディダスが高かった。米国との関税をめぐる警戒感がやや和らぎ、関税の影響を受けやすいドイツポストや重電のシーメンスが買われた。
一方で銀行株が下落した。前日大幅に上昇した航空のルフトハンザは利益確定の売りで安くなった。鉄鋼のティッセン・クルップも下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5434.36(+36.25)