NYダウ390ドル安、ウイルスワクチンへの期待が後退
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【市況】NYダウ390ドル安、ウイルスワクチンへの期待が後退 |
19日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比390ドル51セント(1.6%)安の2万4206ドル86セントで終えた。
ダウ平均は前日、米バイオ医薬品企業モデルナによる新型コロナウイルスのワクチン開発に関する発表を好感し、911ドルと大幅高となった。その反動でこの日は寄り付きから利益確定の売りが出た。
米国の多くの州で経済活動を再開する動きが広がっているが、早期に再開したテキサス州などでは新型コロナの新規感染者が増加している。小売店や飲食店で当面は客数を制限しながらの営業となり、正常化には時間がかかる公算が大きい。景気への楽観論がやや修正され、持ち高調整の売りも出た。
ダウ平均は引けにかけて下げ足を速めた。医療系ニュースサイトSTATがバイオ製薬のモデルナが開発中の新型コロナワクチンについて「効果を信じるには情報が不十分」と報じた。前日は同社が初期の臨床試験で効果を確認したと発表し、ワクチン開発への期待から米株全体に買いが広がった。
2020年2〜4月期決算が減益となったホームセンターのホーム・デポが下落。2〜4月期決算が市場予想を上回った小売りのウォルマートも買い先行後に売られ、2%安で終えた。
ワクチンの開発期待が高まった前日は、業績が新型コロナの直撃を受けている銘柄が軒並み大幅高となった。19日は一転して売りに押された。映画・娯楽のウォルト・ディズニーは2%安、航空機のボーイングは4%安、石油のエクソンモービルは3%安で終えた。
この日はムニューシン米財務長官とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、議会証言に出席。中間所得層に対する減税の検討を進める考えなどを強調したが、相場への影響は限定的だった。
セクター別では、銀行、エネルギーが大きく下げた一方で、メディア・娯楽の下げは最小にとどまった。
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落し、同49.72ポイント安の9185.10で終えた。高く推移する場面が多かったが、引け間際に下げに転じた。ただ「巣籠もり消費」の恩恵を受けやすいネット通販のアマゾン・ドット・コム、動画配信のネットフリックス、半導体のエヌビディアはいずれも上場来高値を更新した。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,206.86−390.51
S&P500種
2,922.94−30.97
ナスダック
9,185.104−49.724
NY金(ドル/トロイオンス)
1,745.60+11.20
NY原油(ドル/バレル)
31.92−0.04
円・ドル
107.69 - 107.71+0.28

19日のシカゴ日経平均先物は反落した。
6月物は前日比255円安の2万0385円で引け、19日の大取終値を145円下回った。
前日の市場に広がったワクチン開発の進展期待が薄れた。
引けにかけては米医療メディアがバイオ医薬ベンチャーのモデルナ(MRNA)が開発中のウイルスワクチンへの懐疑的な報道が嫌気されNYダウは急落した。
ムニューシン米財務長官は19日の上院銀行委員会で中間層減税の検討に言及したが、市場の反応は限られた。
この日の6月物安値は2万0355円、高値は2万0680円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
20385 ( -145 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
20415 ( -115 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6002.23(−46.36)
FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反落した。前日の終値に比べ46.36ポイント安の6002.23で引けた。
前日には米バイオ医薬品企業モデルナの新型コロナウイルスワクチンへの進展期待から大幅高となったが、この日は一転して利益確定売りに押された。独仏両首脳が巨額の基金創設を共同提案し、外為市場では欧州通貨が堅調となったが、株式市場の反応は薄かった。
指数構成銘柄全体の約6割が下落した。
個別銘柄では、たばこ製造・販売のインペリアル・ブランズは6%超下げた。19日に減配を発表したのが嫌気された。食品・日用品大手の英蘭ユニリーバや、日用品のレキットベンキーザーなどの消費関連株も値下がりした。
半面、都市封鎖の緩和期待から航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が8.1%高と連日の急伸となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11075.29(+16.42)
19日のドイツ株式指数(DAX)は小幅に3日続伸した。終値は前日と比べて16.42ポイント高い11075.29だった。欧米で経済再開に向けた動きが広がり、世界景気の底入れ期待から景気敏感株を中心に買いが入った。
5月ZEW景況感指数の発表に注目。市場予想(32.0)を上回れば、過度な景気悪化懸念が後退し相場のプラス要因に働くとみている
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4458.16(−40.18)