NYダウ89ドル安、政治的混乱を警戒
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【市況】NYダウ89ドル安、政治的混乱を警戒 |
11日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前週末比89ドル28セント(0.3%)安の3万1008ドル69セントで終えた。ダウ平均など主要株価指数は前週末まで連日で過去最高値を更新しており、主力ハイテク株中心に利益確定売りが優勢だった。
野党民主党は、トランプ大統領への弾劾訴追決議案を下院に提出。議会では、議会乱入事件をめぐる責任追及の動きが本格化し、民主党を中心にトランプ氏罷免を求める声が強まっている。トランプ大統領の罷免問題を巡る米政治の混乱も投資家心理の悪化につながった。
一方、ツイッターは、暴力を扇動する危険があるとして、トランプ氏のアカウントを永久停止。アップルやグーグルなどは、トランプ氏支持の右派が多く利用する交流サイト(SNS)のアプリ配信を止めた。ただ、こうした措置には、巨大IT企業による「検閲」との批判も根強い。
バイデン次期政権による大型経済対策への期待から、ダウ平均は直近4営業日で874ドル(2.9%)上げていた。一部テクニカル指標は短期的な過熱感を示唆しており、利益確定の売りが出やすかった。
アトランタ連銀のボスティック総裁は11日、コロナ禍からの景気回復が想定以上に早く「早ければ2022年の中ごろに利上げがあり得る」と語ったと伝わった。利上げ再開は23〜24年以降との市場の見方より早期の利上げを示唆し、投資家心理の悪化につながった面もあった。
ダウ平均は午後に前週末終値近辺まで下げ幅を縮小する場面があった。長期金利の上昇でJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株に買いが入り、指数を下支えした。
ナスダック総合株価指数は前週末比165.544ポイント(1.3%)安の1万3036.431と3営業日ぶりに反落した。スマートフォンのアップルやSNS(交流サイト)のフェイスブック、動画配信のネットフリックスなどの下げが目立った。電気自動車のテスラは12営業日ぶりに反落し、8%安で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
31,008.69−89.28
S&P500種
3,799.61−25.07
ナスダック
13,036.431−165.544
NY金(ドル/トロイオンス)
1,835.40−78.20
NY原油(ドル/バレル)
52.18−0.06
円・ドル
104.22 - 104.24+0.25

11日のシカゴ日経平均先物は反落した。
3月物は前週末比270円安の2万8020円で引け、8日の大取終値を120円下回った。
トランプ大統領弾劾訴追状案を下院に提出するなど政局混乱を警戒し寄り付き後下落した。
日経平均先物に売りが波及した。
米民主党は11日、トランプ大統領の罷免をペンス副大統領に求める決議案を下院に提出した。ペンス氏が罷免に応じない場合、民主党はトランプ氏を弾劾訴追する決議案を週内に採決する見通し。11日は日本市場が休場で、シカゴ時間の日中の値動きは限られた。
この日の3月物安値は2万7935円、高値は2万8340円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28020 ( -120 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28045 ( -95 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6798.48(−74.78)
11日のFTSE100種総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。前週末の終値に比べ74.78ポイント(1.1%)安の6798.48で引けた。構成銘柄の約9割が下落した。
新型コロナウイルスの感染が英国を含む欧州各国で改めて拡大していることから、規制強化が長引くことによる景気悪化が懸念された。上昇が続いた後だけに、利益確定の売りも出た。銅相場の下落を背景に鉱業株が売られ、株価指数を押し下げた。
個別銘柄では、情報・出版のインフォーマの下落が目立つ。アナリストが投資判断を引き下げたことなどが響いた。食品サービスのコンパス・グループも大幅安だった。金融大手バークレイズ(1.1%安)、同HSBCホールディングス(0.9%安)など銀行株もさえなかった。
半面、スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションは4%近く上げた。2021年1月期通期の税引き前利益は市場予想を上回るとの見通しを示したことが好感された。製薬大手アストラゼネカは1.3%高と締まった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13936.66(−112.87)
11日のドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前週末と比べて112.87ポイント(0.8%)安の1万3936.66だった。
前週に終値ベースで過去最高値が続いた後だけに、利益確定を目的とした売りが広がった。欧州と中国で新型コロナウイルスの感染が改めて拡大していることも売りにつながった。
医療機器のフレゼニウスは3%近く下げた。アナリストが株価目標を引き下げたことなどが響いた。上昇したのは、医薬・化学大手の独メルクとドイツ銀行の2銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5662.43(−44.45)