NYダウ続伸27ドル高 経済対策の成立期待
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【市況】NYダウ続伸27ドル高 経済対策の成立期待 |
22日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比27ドル37セント高の3万1521ドル69セントで終えた。
ダウ平均は、長期金利上昇への警戒感から、反落して取引が始まった。ただ、売りが一巡すると、バイデン米政権が打ち出した1兆9000億ドル規模の大型経済対策法案の早期成立や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待が支えとなり、上昇に転じた。一時、取引時間中の最高値を更新した。
米議会下院予算委員会は22日、1兆9000億ドル規模の大型経済対策の関連法案を可決した。民主党上院執行部は3月中旬までの成立に意欲をみせており、早期成立への期待が強まった。
米国では新型コロナの新規感染者数の減少が続き、経済規模の大きいニューヨーク州などで行動制限が緩和されている。欧州でも英政府が22日、ロックダウン(都市封鎖)の緩和を発表し、6月下旬に経済や社会活動のほぼ完全な正常化を目指す。
経済活動の正常化期待から映画・娯楽のウォルト・ディズニーが4%上昇し、ダウ平均を押し上げた。建機のキャタピラーやクレジットカードのビザなど景気敏感株への買いも目立った。ダウ平均の構成銘柄以外でもクルーズ船のカーニバルや空運のアメリカン航空グループなど、旅行・レジャー関連株が軒並み大幅に上げた。
半面、米債券市場では長期金利が上昇し、株式相場の重荷となった。長期金利は22日未明に一時1.39%まで上昇し、米株市場でハイテクなど高PER(株価収益率)株を中心に売りが先行した。市場では23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言への関心が高まっており「金利上昇をけん制する発言が出るのでは」との見方も一部で浮上した。
ナスダック総合株価指数は大幅に反落し、前週末比341.415ポイント安の1万3533.048で終えた。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルがともに3%安。インテルやエヌビディアなど半導体株も軒並み売られた。電気自動車のテスラは9%安と大幅に続落した。

22日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前週末比215円安の2万9985円と5営業日ぶりに3万円を割り込んで引けた。22日の大取終値を185円下回った。
米長期金利の上昇や円高を手掛かりに売られた。米株の反発場面では下げ幅を縮めたが、引けにかけてナスダック総合株価指数が下げ進み、上値を重くした。
この日の3月物安値は2万9970円、高値は3万0450円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
29985 ( -185 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29990 ( -180 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
22日のFTSE100種総合株価指数はインフレ懸念を背景に小幅に反落した。前週末の終値に比べ11.78ポイント安の6612.24で引けた。下げ幅は徐々に縮まった。構成銘柄の6割近くが下落した。
商品相場の上昇によるインフレ懸念で売りが優勢だった。医薬品株と時価総額の大きい食品・日用品のユニリーバなどの下げが株価指数を押し下げた。
個別銘柄は、医療機器のスミス・アンド・ネフューは、複数のアナリストが株価目標を引き下げたことから売られた。ネット専業スーパーのオカド・グループは6%超下げた。
一方、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループは、融資などによる流動性の引き上げが好感され7%超上昇した。航空機エンジンのロールス・ロイスは6.9%高と上昇が目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
22日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前週末と比べて43.19ポイント(0.3%)安の1万3950.04だった。
商品相場が上昇しインフレ懸念が高まっていることから、欧州各国市場でそろって売りが先行した。
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローは7%近く下げた。アナリストが株価目標を引き上げたドイツ銀行は上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,767.44 -6.11