NYダウ続伸で73ドル高 中国関連銘柄に買い
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【市況】NYダウ続伸で73ドル高 中国関連銘柄に買い |
10日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比73ドル92セント高の2万6909ドル43セントと7月30日以来ほぼ1カ月半ぶりの高値で終えた。
12日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会、17、18両日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、この日はひとまず利益を確定する動きも目立った。割高感のある銘柄などに売りが出て、ダウが午前中に一時118ドル安まで下げる場面もあった。
しかし、米中通商協議において米農産物の購入拡大を議論していることが伝わり下値も限られ、引けにかけてダウは上昇に転じた。
中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が米政府に対する訴訟の一部を取り下げたと10日に発表した。香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)が10日、ファーウェイへの制裁緩和などを条件に中国政府が米国の農産物を購入する方針だと伝えたのも米中対立への警戒感を和らげた。
中国売上高比率が高い建機のキャタピラー、工業製品のスリーエム(3M)、化学のダウが買われた。7日に明らかになった開発中の大型旅客機「777X」の試験の一部中止について、大規模なものではなく納期には影響しないと会社が説明したと伝わった航空機のボーイングが上昇したのも指数を支えた。
新型iPhoneなどの新製品や、動画やゲーム配信など秋に始める新サービスの詳細を発表したアップルが取引終了にかけて買われた。
セクター別では、電気通信サービスや銀行が上昇する一方で商業・専門サービスや消費者・サービスが下落した。ECBの結果判明を控え、持ち高調整の動きが広がったとみられる。
ナスダック総合株価指数は3日続落し、3.282ポイント安の8084.155で終えた。アップルが発表した動画配信サービスの月額料金が半額以下に設定されたのを受け、競合するネットフリックスが売られた。マイクロソフトやフェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど主力株も安い。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,909.43+73.92
S&P500種
2,979.39+0.96
ナスダック
8,084.155−3.282
NY金(ドル/トロイオンス)
1,499.20−11.90
NY原油(ドル/バレル)
57.85+0.45
円・ドル
107.53 - 107.54+0.21

シカゴ日経平均先物は5営業日続伸した。
9月物は前日比100円高の2万1450円で引け、期近物終値ベースで今年7月30日以来、約6週間ぶりの高値をつけた。10日の大取終値を100円上回った。
米中対立の緩和期待が広がり投資家心理が上向いた。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が10日、米政府に対する訴訟の一部を取り下げたと発表した。
市場には12日の欧州中央銀行(ECB)理事会で利下げが決まるとの見方があった。
この日の9月物高値は2万1460円、安値は2万1295円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21450 ( +100 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21455 ( +105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7267.95(+32.14)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ32.14ポイント高の7267.95で引けた。
米中貿易協議の進展期待が広がる中、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。12日の欧州中央銀行(ECB)の定例理事会から始まる主要中銀の金融政策を決める会合を控えた動きもみられた。指数構成銘柄全体の約6割が上昇した。
銀行株が上げを主導した。欧米各国の長期金利の上昇で利ざやの改善期待から銀行株も買われ、株価指数の上昇に大きく貢献した。
個別銘柄では、バークレイズは5%近く上がった。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションは8%超の上昇。フィットネスなどジム用衣料の需要が増加したことなどから、上期の税引き前利益が拡大した。金融大手バークレイズ4.9%高、ロイズ・バンキング・グループ4.3%高、スタンダード・チャータード3.6%高など、銀行株が堅調だった。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスも3.6%高と締まった。
半面、医薬品株は売られた。外食デリバリーサービスのジャスト・イートは6%超下がった。複数のアナリストが株価目標を引き下げた衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズも下落。建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループは、第1四半期の業績がほぼ市場の予想通りの範囲にとどまったことが嫌気され売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12268.71(+42.61)
ドイツ株式指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日と比べて42.61ポイント高の12268.71だった。軟調な中国の経済指標の発表を受けて、他の欧州株式相場とともに下がって始まったが、午後には上昇に転じた。
個別では、タイヤのコンチネンタルと鉄鋼のティッセン・クルップ、航空のルフトハンザはそろって3%超上昇した。オンライン決済サービスのワイヤーカードとアディダスは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5593.21(+4.26)