兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
会員情報作成
ログイン
初めてのお客様は、
『会員情報作成』から登録をお願い致します。
8日続伸125ドル高、年内利下げ期待で
【市況】8日続伸125ドル高、年内利下げ期待で

10日のNYダウ工業株30種平均は8日続伸し、前日比125ドル08セント(0.31%)高の3万9512ドル84セントで終えた。
週間の上げ幅は837ドルと2023年12月中旬以来の大きさだった。
ダウの直近8営業日の上げ幅は1700ドルに迫った。足元の米雇用情勢の軟化を受け、FRBが年内2回の利下げを実施するとの見通しが引き続き相場を支えている。
一方、翌週に控える4月の米消費者物価指数(CPI)の内容を見極めたいとの思惑に加え、インフレ再燃への警戒感も相まって、ダウの上値は抑えられた。
 
前日発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回るなど、労働市場の過熱感の和らぎを示す経済指標の発表が相次いでいる。物価指標の上振れで強まっていたFRBの利下げ先送り懸念が後退し、買いが広がった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体株の一角が上げた。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が4月の売上高が前年同月に比べ59.6%増えたと10日に発表。半導体株の一角の買いを促した。
 
ただ、ダウ平均の上値は重かった。ミシガン大学が10日に発表した5月の米消費者態度指数(速報値)は67.4と、昨年11月以来の低水準となった。4月(77.2)から悪化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(76.0)も下回った。インフレ再燃や失業率上昇への不安感があるという。1年先の予想インフレ率は前月の3.2%から3.5%に上昇し、インフレ圧力の強さを警戒した売りが出た。
 
市場では、「ほんの少しだけだが、スタグフレーション(景気停滞とインフレの併存)への懸念につながりうる内容だった」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。
 
ダラス連銀のローガン総裁は10日の講演で、インフレ率を目標の2%に戻すのに政策金利が十分制限的かどうか確かではなく、利下げするには早すぎるとの見方を示したと伝わった。利下げに消極的との受け止めは相場の重荷だった。
 
ダウ平均は前日までの7営業日で1570ドルあまり上昇していたあとで、週末を控えた持ち高調整の動きもみられた。米債券市場で長期金利が4.5%前後と、前日終値(4.45%)より高く推移した。株式の相対的な割高感が意識されたのも売りにつながった。
 
個別では、マクドナルドやベライゾン・コミュニケーションズ、ビザなどが上げた。アナリストが投資判断を引き上げたスリーエムも買われた。半面、ナイキやボーイング、アマゾン・ドット・コムは下げた。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に反落した。前日比5.396ポイント(0.03%)安の1万6340.869で終えた。テスラの下げが目立った。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
10日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比240円安の3万8195円で終えた。
NYダウ平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げに動くとの観測から8営業日続伸した。米大手ハイテク株の一角が下げたのが重荷となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38195 ( -45 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38215 ( -25 )

( )は大阪取引所終値比
 
 







【欧州株式市場】


■イギリス・ロンドン株価指数
 

10日のFTSE100種総合株価指数は6日続伸した。終値は前日比52.41ポイント(0.62%)高の8433.76と、連日で最高値を更新した。10日発表の2024年1〜3月期の英実質国内総生産(GDP)速報値が前期比0.6%増とプラス成長に転じ、英経済の悪化懸念が和らいだ。英国や米国の金融政策が利下げに近づいていることが改めて意識されたのも、投資家心理を支えた。

FTSEの構成銘柄では、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが3.15%高で上昇率トップ。蒸気システム大手スパイラックス・サーコが2.92%高、資源大手グレンコアが2.69%高と続いた。一方、不動産サイト大手ライトムーブは5.52%安、航空エンジン大手ロールス・ロイスが2.37%安だった。

 


■ドイツ・フランクフルト株価指数

10日のドイツ株価指数(DAX)は6日続伸し、前日比86.25ポイント(0.46%)高の1万8772.85で終えた。ユーロ圏や米国での利下げ観測が投資家心理を支え、連日で最高値を更新した。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.21%高、通販大手ザランドが3.32%高、ミュンヘン再保険が3.13%高と上伸。化学大手BASFは2.08%安、航空機大手エアバスは1.56%安と落ち込んだ。




■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.38%高(3.29%高)となり、終値で3月28日以来6週間ぶりに最高値を記録した。終値は前日比0.38%高の8219.14だった。

 
a