NYダウ114ドル高、3日ぶり反発
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【市況】NYダウ114ドル高、3日ぶり反発 |
27日のNYダウ工業株30種平均は前週末比114ドル88セント高の2万6584ドル77セントと3営業日ぶりに反発で終えた。
今週はアマゾン・ドット・コムなど「GAFA」と呼ばれる米IT大手4社の4〜6月期決算が30日に発表される。新型コロナウイルスの感染拡大による消費低迷で多くの企業が打撃を受ける中、IT関連サービスへの「巣ごもり需要」が4社の業績を支えるとの期待から、ハイテク株を中心に買いが入った。
新型コロナワクチンの開発進展の報も相場上昇を支援した。米バイオ医薬品企業モデルナは27日、開発中のワクチン候補について、最終となる第3段階の臨床試験(治験)を開始したと発表。ワクチンの実用化によって経済活動が再び活発化することへの期待が高まった。
また、米共和党が27日夕に1兆ドル規模の景気支援策を発表する見通しと伝わった。失業給付の増額を部分的に続ける方針や、家計への現金給付などが含まれる。米景気を支えるとの見方から、化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株の一角が買われた。
30日の決算発表を控え、アナリストが目標株価を引き上げたスマートフォンのアップルが上昇。同日に決算を発表するインターネット小売りのアマゾン・ドット・コムや交流サイト(SNS)のフェイスブック、検索サイトのアルファベットなどにも買いが向かった。コロナの影響が相対的に小さいとみられ、業績の底堅さを見込んだ買いが入った。
一方、米西部や南部を中心に新型コロナの新規感染者が増え続けていることへの警戒感は根強く、ダウの上値を抑えた。米議会の与党共和党が27日、約1兆ドルの新型コロナ追加対策で焦点となっている失業給付の上乗せ措置について、当面は現行の週600ドルから週200ドルに減らす方針を決めたと報じられたことも景気の先行き懸念につながった
セクター別では、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、銀行が下落。
ナスダック総合株価指数は同173.09ポイント(1.7%)高の1万0536.27で終えた。GAFA(アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン)に加えて、電気自動車(EV)のテスラや動画配信のネットフリックスが買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,584.77+114.88
S&P500種
3,239.41+23.78
ナスダック
10,536.267+173.090
NY金(ドル/トロイオンス)
1,931.00+33.50
NY原油(ドル/バレル)
41.66+0.06
円・ドル
105.30 - 105.31−0.26

27日のシカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前週末比325円高の2万2665円で引け、27日の大取終値を25円下回った。
政府の追加財政策への期待やハイテク株も今週の決算を控えて買いが広がり、終日堅調推移となった、新型コロナウイルスのワクチン開発や経済支援策への期待から米株が反発し、日経平均先物にも買いが波及した。
一方で米中関係の悪化懸念を背景に円高が進み、上値を抑えた。この日の9月物高値は2万2720円、安値は2万2325円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22665 ( -25 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22690 ( 0 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6104.88(−18.94)
27日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前週末の終値に比べ18.94ポイント(0.3%)安の6104.88で引けた。指数構成銘柄全体の半分余りが下落した。
新型コロナウイルスの感染再拡大などを背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まった。英政府はスペインからの帰国者に再び自主隔離を義務付ける方針に転換。海外旅行は大混乱となっており、観光関連株が下げを主導した。
英政府は25日、スペインから26日以降に入国する人に対して14日間の隔離を求めると発表した。スペインで新型コロナウイルスの感染が再拡大しているのを踏まえた措置で、乗客が減るとの懸念からインターナショナル・エアラインズ・グループやイージージェットなど航空株に売りが膨らんだ。航空エンジンのロールス・ロイスも下げた。
米中対立への警戒感が強まるなか、中国や香港の売上高比率が大きいHSBCホールディングスやスタンダードチャータード銀行も売られた。
一方で、金相場の史上最高値更新を背景に、産金大手が急伸、産金大手フレスニーヨ、同ポリメタル・インターナショナルがいずれも7.1%の大幅高。産銅大手アントファガスタ(3.6%高)、資源大手BHPビリトン(2.2%高)も買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12838.66(+0.60)
27日のドイツ株式指数(DAX)はほぼ横ばいだった。終値は前週末と比べて0.6ポイント高の1万2838.66だった。
独Ifo経済研究所が27日に発表した7月の企業景況感指数が市場の予想以上に前月から改善し、投資家心理を支えた。
個別では、ソフトウエア会社大手のSAPや半導体の独インフィニオンテクノロジーズ、樹脂大手のコベストロの上昇が目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4939.62(−16.81)