255ドル安と4日続落、債務上限問題の交渉行き詰まり
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【市況】255ドル安と4日続落、債務上限問題の交渉行き詰まり |
24日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比255ドル59セント(0.8%)安の3万2799ドル92セントで終えた。
この4営業日で合計735ドル下げ、3月29日以来の安値を付けた。
米連邦政府の債務上限問題を巡る政府と野党•共和党の交渉に進展がみられず、先行き不安が広がった。高インフレの継続に対する警戒感から欧州株式相場が下落したのも米株の重荷だった。
野党•共和党のマッカーシー下院議長はこの日、同党の担当者がホワイトハウスに戻り「交渉をまとめるよう努力する」と述べた。ただ、バイデン政権側とは多くの項目で依然として「隔たりが大きい」と指摘し、合意への道筋は見えていない状況だ。
一方で「市場参加者は最終的に債務上限は引き上げられると考えており、パニックを起こしてはいない」。この数日の下落基調の原因には、S&P500種株価指数が先週大幅に上昇したことを受けた利益確定売りもあるとみられる。
24日発表の4月の英消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を上回り、高インフレが欧州景気を押し下げるとの見方が強まった。主要な欧州株式相場が下げ、米株の売りに波及した面もあった。
24日午後発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(2〜3日開催分)では、参加者が「どの程度の追加の金融引き締めが適切か不透明だ」とみていたことがわかった。利上げ継続の是非を巡って意見が分かれており、今後の経済指標を見極める必要があるとして発表後の米株相場の反応は目立たなかった。
個別では工業製品・事務用品のスリーエムやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスの下げが目立った。顧客情報管理のセールスフォースや製薬のメルクは上昇した。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比76.083ポイント(0.6%)安の1万2484.162で終えた。ネット検索のアルファベットや電気自動車のテスラが下げた。

24日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比185円安の3万495円で終えた。
米連邦政府の債務上限引き上げ交渉が進まないことが嫌気され、4営業日続落した。日経平均先物もつれ安した。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
30495 ( -115 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
30520 ( -90 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7627.10(−135.85)
24日のFTSE100種総合株価指数は大幅に続落した。前日に比べ135.85ポイント(1.75%)安の7627.10と、3月30日以来ほぼ2カ月ぶりの安値で終えた。24日発表の4月の英消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を上回り、イングランド銀行(英中央銀行)による金融引き締めの長期化が警戒された。米連邦政府の債務引き上げを巡る不透明感も投資家心理の重荷だった。
個別では、保険大手のプルデンシャルとアビバが5.94%安、5.88%安とそれぞれ下落。住宅大手パーシモンも5.52%安と続いた。一方、品質検査会社インターテックが3.36%高。オンライン食品販売大手オカド・グループが2.29%高、エネルギー大手SSE1.63%高とそれぞれ買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15842.13(−310.73)
24日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に3日続落した。前日に比べ310.73ポイント(1.92%)安の1万5842.13で取引を終えた。英国のインフレ減速ペースが鈍く、ユーロ圏でも高インフレが想定以上に続くとの警戒感が強まった。23日のユーロ圏やドイツの製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)が前月から低下したのに続き、24日のドイツ景況感指数が前月から低下したことも、投資家心理を冷やした。指数を構成する40銘柄すべてが前日から下落した。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが5.41%安と下落率トップ。高級車大手ポルシェは3.86%安、商用車大手ダイムラー・トラックが3.64%安と続いた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7253.46(−125.25)
フランスCAC40種指数は1.70%安だった。
米政府の債務上限引き上げ交渉への警戒感が上値を重くする中、英消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで、長期的な金利上昇を懸念した投資家心理が作用し下げた。