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ダウ6日続落、金利上昇や地政学リスクが重し
【市況】ダウ6日続落、金利上昇や地政学リスクが重し

15日のNYダウ工業株30種平均は6日続落した。前週末比248ドル13セント(0.65%)安の3万7735ドル11セントと、1月18日以来およそ3カ月ぶりの安値で終えた。
米消費の底堅さを示す経済指標を受け、米長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が強まり、ハイテク株を中心に売りが優勢となった。セールスフォースが大きく下げたのもダウ平均を下押しした。6日続落は23年6月以来およそ10カ月ぶりとなる。
 
朝方は米金融大手ゴールドマン・サックスの堅調な四半期決算が好感されたほか、先週を通じて売られた反動で買いが先行し、ダウの上げ幅は一時400ドルを超えた。一方、午前に公表された米小売売上高で市場予想を上回る個人消費の力強さが示され、米長期金利が上昇。ハイテク株を中心に徐々に売りが膨らみ、ダウはじりじりと上げ幅を縮小し、午後にマイナス圏に沈んだ。
 
15日朝発表の3月の米小売売上高は前月比0.7%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を上回った。2月分も上方修正された。15日の米債券市場で長期金利が上昇(債券価格は下落)し、4.6%台半ばと昨年11月以来の高水準を付ける場面があった。金利上昇で株式の相対的な割高感を意識した売りが出た。
 
米景気が底堅さを保つ中、インフレの沈静化には時間がかかるとの見方が広がっている。市場では「米連邦準備理事会(FRB)による利下げが市場の想定ほど早く始まらないことへの不安が強い」との声があった。
 
中東の地政学リスクを巡る警戒も引き続き投資家心理の重荷となった。イランが13日にイスラエルに報復攻撃をした後、イスラエルも再報復の構えをみせる。米欧の主要国はイスラエルに自制を求めるものの、対立が激化することへの懸念は根強い。米株の変動性指数(VIX)の上昇が続き、15日は前週末に比べ11%高い19台となった。
 
ダウ平均の構成銘柄では、データ管理システムを手掛ける企業の買収に向けて協議を進めていると伝わったセールスフォースが7.2%安で終えた。アップルも下落した。1〜3月期のスマートフォン出荷台数が減少したとの調査が重荷となった。マイクロソフトやビザ、ホーム・デポも売られた。半面、インテルとユナイテッドヘルス・グループは上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前週末比290.075ポイント(1.79%)安の1万5885.019で終えた。世界で従業員を10%以上削減する方針だと伝わったテスラが5.5%下げた。アルファベットとメタプラットフォームズも安かった。
 



【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前週末比160円安の3万8705円で終えた。
 
米長期金利上昇が圧迫要因となり、ハイテク株主導で米ダウ工業株30種平均は、約3カ月ぶり安値で終え、日経平均株価も下落した。投資家が運用リスクを回避するとの見方から、日経平均先物にも売りが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38705 ( -525 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38735 ( -495 )
 
( )は大阪取引所終値比
 
 







【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7965.53(-30.05)
 
15日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前週末比30.05ポイント(0.37%)安の7965.53で終えた。原油先物相場の下落を背景に、英シェルやBPといった時価総額の大きいエネルギー株が下げ、指数を下押しした。電力・ガス供給のナショナル・グリッドなど公益株が下落したほか、資源株の一角にも売りが出た。

中東情勢を考慮して、英国とイスラエル・テルアビブを結ぶ便の運航休止を14日に公表した英格安航空会社(LCC)のイージージェットなど空運株に売りが出た。英BAEシステムズや、ロールス・ロイス・ホールディングスなど航空・防衛関連の銘柄には買いが優勢だった。

FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが3.94%安、石油大手BPが2.19%安、エネルギー小売り大手セントリカが2.10%安と売られた。
半面、保険大手ビーズリーが2.98%高、オンライン食品販売大手オカド・グループは2.02%高と買われた。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18026.58(+96.26)

15日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前週末比96.26ポイント(0.53%)高の1万8026.58で終えた。

防衛大手のラインメタル株が買われたほか、重電大手シーメンスの株価も上昇した。保険株にも買いが優勢だった。一方で独バイエルなど化学関連の一角に売りが出た。ヘルスケアや不動産の関連銘柄も下げた。

 

 

 

個別では、一部金融機関が投資判断を引き上げたと伝わったスポーツ用品大手アディダスが4.18%高と上昇率トップ。製薬大手サルトリアスが2.24%高、素材化学大手コベストロが2.03%高と続いた。一方、製薬大手バイエルは1.87%安、分子診断大手キアゲンが1.53%安だった。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8045.11(+34.28)

フランスCAC40種指数は0.43%高だった。週末のイランによるイスラエルへの報復攻撃を背景に中東情勢の悪化懸念がくすぶる中、この日発表のユーロ圏鉱工業生産を好感した工業株や自動車株などの上昇がプラスに寄与した。

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