![]() |
【市況】ダウ続伸104ドル高、景気懸念の後退 |
24日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比104ドル40セント(0.3%)高の3万3733ドル96セントで終えた。米景気の減速懸念の後退を受けた買いが続いた。ただ、ハイテク大手の決算発表を前に利益を確定する目的の売りも出て、相場の上値は重かった。
朝方発表された米工業・事務用品大手スリーエム(3M)の2022年10〜12月期決算は1株当たり利益が市場予想を下回る内容。景気悪化に備えて米大手企業の間でリストラの動きが相次いでおり、3Mも世界で製造関連の従業員約2500人を削減すると明らかにした。今後公表される他の米主要企業の業績に対する懸念が広がる中、取引序盤のダウは売りが先行した。
ただ、売り一巡後は引き続き米利上げ減速期待が支援材料となる中を値を戻し、中盤にはプラス圏に浮上。終盤は取引終了後に発表される米IT大手マイクロソフトの決算、今週公表の米国の国内総生産(GDP)、インフレ統計を控えて警戒感が根強く、上値も限られた。
24日は建機のキャタピラーや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株が買われ、ダウ平均を支えた。朝方発表の2022年10〜12月期決算で売上高が市場予想を上回った保険のトラベラーズも上げた。
25日はダウ平均の構成銘柄ではないが電気自動車のテスラが決算を発表する。相場を見極める上で、ハイテク大手の決算を確認したいとして積極的な取引が見送られた面があった。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに小反落し、前日比30.142ポイント(0.3%)安の1万1334.272で終えた。ネット検索のアルファベットが下落した。米司法省が24日、ネット広告事業が反トラスト法(独占禁止法)に抵触しているとして、傘下のグーグルを提訴したのが響いた。一方、スマートフォンのアップルは上昇した。

24日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比35円高の2万7190円で引けた。同日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均が上昇し、日経平均先物も買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27190 ( -80 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27230 ( -40 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7757.36(−27.31)
24日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日に比べ27.31ポイント(0.35%)安の7757.36で終えた。24日発表の1月の英国の総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)が前月から低下し、同国景気の悪化懸念が投資家心理を圧迫した。
個別では、構成銘柄の4割弱が下落。製薬大手アストラゼネカが3.0%安と下落率トップだったほか、流通大手テスコが2.4%安、資源大手グレンコアも2.2%安と売られた。一方、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは3.0%高、投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストは2.5%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は2.4%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15093.11(−9.84)
24日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに小幅に反落した。前日に比べ9.84ポイント(0.07%)安の1万5093.11で終えた。前日まで続伸しており、利益確定目的の売りが出た。前日に買われていたヘルスケア株や小売り株への売りが重荷だった。
個別では、医療機器のザルトリウスが4.2%安、通販大手ザランドが2.2%安となった半面、商用車大手ダイムラー・トラックは2.6%高、ミュンヘン再保険は1.8%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7050.48(+18.46)
フランスCAC40種指数は0.26%高だった。