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351円安と反落、ドル円の先高観後退や
東証プライム市場(前引け)=351円安と反落、ドル円の先高観後退や

 
31日午前の日経平均株価は反落した。前日比351円62銭(1.12%)安の3万0976円54銭で終えた。前日までの4日続伸で1990年7月以来33年ぶりの高値を連日で更新しており、利益確定売りが出やすかった。外国為替市場での円安一服や、日本と中国での生産活動の停滞を示す経済指標の発表も重荷となった。
 
前日の欧州株市場が全面安だったほか米国株市場でもNYダウが軟調な値動きを示したことで、目先利益確定の売りが優勢となった。これまで相場を牽引していた半導体関連株に下げるものが多く、全体指数を押し下げている。値下がり銘柄数は1500を超え、プライム市場の85%を占めている。
 
経済産業省が朝方発表した4月の鉱工業生産指数は前月から0.4%低下した。QUICKがまとめた民間予測の中央値は前月比1.5%上昇で、予想に反して3カ月ぶりに下がった。市場では「生産予測指数を参考にすると5月も大幅な減産となる可能性が高い。世界的に財需要が低迷しており、生産はしばらく弱い状態が続く」との見方があった。
 
中国国家統計局などが発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)も前月比0.4ポイント低下の48.8となり、市場予想を下回った。製造業PMIは景気判断の分かれ目となる50を2カ月連続で下回った。発表後、安川電など中国関連株の一角が下げ幅を広げた。
 
東証によるPBR改善要請やバフェット効果などは引き続き下値を支える要因として意識されるだろうが、経済再開(リオープン)などで相対的に底堅いとみられてきた国内経済への楽観的な見方はやや修正が必要そうだ。鉱工業生産の結果をみても、やはり製造業主体の日本は世界景気の減速からの影響を免れることができないようだ。
 
 日経平均は前日および本日といずれも3万1000円を下値として意識して下げ渋る動きが見られており、底堅さは健在の様子。ただ、上述したように日本株を巡る環境を楽観視ばかりもしていられない状況だ。これまで相場のけん引役となってきた海外投資家が好んで買ってきた東証プライム市場の主力大型株は景気敏感株が多い。これら銘柄の上昇ピッチはこれまで非常に速かっただけに、上述した背景からいったんは小休止の局面に入りそうだ。前日の当欄での繰り返しになるが、ここからはやはり出遅れ感の強い中小型株に投資機会を見出していきたい。
 
 

 

前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7928億円、売買高は6億5994万株だった。東証株価指数(TOPIX)は続落した。東証プライムの値下がり銘柄数は1565銘柄。値上がりは220、変わらずは50だった。
 
業種別株価指数(33業種)では卸売業、鉄鋼、鉱業の下落が目立った。上昇は銀行業のみ。
 
個別ではレーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロンなど今月に入り上昇が目立っていた半導体関連株にも売りが出た。日本製鉄など鉄鋼株が軟調に推移したほか、前日のニューヨーク市場で原油先物相場が大幅に下落し、三井物など商社株も弱かった。サンケン電気は大幅安だった。
 
半面、ソシオネクストが高く、HOYAも堅調。独ダイムラー傘下の三菱ふそうトラック・バスとの経営統合が発表された日野自は12%高と急騰した。アステリア、HEROZも高い。

 
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