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英明コラム 9月第2週 マーケットストラテジーメモ
「英明コラム 9月第2週 マーケットストラテジーメモ」


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《マーケットストラテジーメモ》 9月第2週


6日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウとS&P500は反落。NASDAQは過去最高値を更新した。アップルやフェイスブック、アルファベットなどは堅調推移。配車サービス大手の滴滴出行(ディディ)は2.4%高。ISM非製造業総合指数は61.7。前月に付けた過去最高の64.1から低下。市場予想は61.5だった。統計発表前は約1.299%だった10年債利回りは1.325%に上昇。2年国債利回りは0.208%。

日経平均株価は531円高の29569円と6日続伸。4月19日以来の高値水準を回復した。背景は次期首相の経済対策への期待感との解釈。TOPIXは31年ぶりの高値を回復した。東証一部の売買代金は3兆419億円。ファーストリテ、ダイキンが上昇。関電、千葉銀が下落。

7日(火):
週明けのNY株式市場はレイバーデーで休場。週末のSKEW指数は154.75→156.98→162.27。恐怖と欲望指数は56→54。実質的な夏休みシーズンの終わりを告げるレイバーデーの三連休明けの米株市場のアノマリー。「レイバーデーの三連休明け後の火曜日の米株は弱い」。過去21年でNYダウ、NASDAQ、S&P500とも平均でマイナス。平均で上昇したのは中小型のラッセル2000指数だけ。
ただ水曜日には主要3指数も平均でプラス。NYダウはプラス0.33%、NASDAQはプラス0.25%、S&P500はプラス0.14%、NYダウがアウトパフォームする傾向にあるという。

日経平均株価は256円高の29916円と7日続伸。4月7日以来の高値水準を回復した。上昇幅は一時380円を超えて3万円台を回復した場面もあった。もっともこの7連騰で2275円上昇しており利益確定売りに押された格好。東証一部の売買代金は3兆4335億円。SBG、村田が上昇、郵船、ニコンが下落。

8日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。NYダウとS&P500は続落。一方NASDAQは4日続伸し過去最高値を更新。「経済回復ペースの鈍化を巡る懸念とFRBによる緩和的な政策維持への期待が交錯」。そんな見方だ。アップルは1.5%高、ネットフリックスは2.7%高でいずれも過去最高値を更新。
一方アムジェンが2%、メルクが1.6%落。

日経平均株価は265円高の30181円と8日続伸。この8日で日経平均株価は2540円上昇。約6ヶ月ぶりの高値水準を回復した。TOPIXは約31年ぶりの高値水準。東証一部の売買代金は3兆6724億円。引け際に7000億円の商いでふくらんだ。東エレが上昇。中外薬、ダイキンが下落。

9日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。背景はデルタ変異株が景気回復を頓挫させるという警戒感。加えてテーパリング(量的緩和の縮小)開始時期が不透明となってきた。セントルイス地区連銀のブラード総裁の発言。「大規模な景気支援プログラムの縮小計画を進めるべき」が重荷との解釈だ。アップルとフェイスブックが約1%下落。地区連銀経済報告(ベージュブック)は通過。「経済成長は7月初旬から8月にかけて緩やかなペースにやや減速した」という解釈。7月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は前月比74.9万件増の1093.4万件。2000年12月の統計開始以降で最高を記録した。

日経平均株価は173円安の30008円と9日ぶりに反落。前日までの8日続伸で2500円超上昇。短期的な過熱感や当面の目標達成感を背景にした利益確定売りが優勢。
ただ終値ベースで3万円台を維持しており「相場は強い」という見方もある。日足は8日連続陽線。TOPIXも9日ぶりに反落。
東証1部の売買代金は3兆761億円。5日連続で3兆円を超えた。東電、サッポロが上昇。SBG、資生堂が下落。

10日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は買いが続かず揃って下落。マイクロソフトとアマゾンが約1%下落。
一方、銀行セクターは上昇。週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は31万件。前週から3万5000件減少し昨年3月中旬以来、約1年半ぶりの低水準。
市場予想は33万5000件だった。シカゴ地区連銀のエバンス総裁の発言。「まだ危機を脱したわけではない」。ボウマンFRB理事の発言。「年内にテーパリングが始まる公算が大きい」。ECBは新型コロナ対応の債券買い入れプログラムの買い入れ規模縮小を決定。前2四半期の月間800億ユーロから小幅縮小する。

日経平均株価は373円高の30381円と高値引けで反発。SQ値30085円に対しては1勝。日足は9日連続で陽線。2月16日高値30467円(日中高値39714円)まであと一歩。東証一部の売買代金は3兆9283億円。新生銀、資生堂が上昇。東電、エーザイが下落。

(2) 欧米動向

8月の非農業部門雇用者数は前月比23万5000人増。
市場予想の72万8000人増を大きく下回った。
過去7カ月間で最も低い伸び。
レジャー・接客で雇用が増えず小売業も実際に雇用が減少。
「FRBはテーパリングの時期をさらに先延ばしする」との解釈だ。
一方、時間当たり賃金は前月比0.6%上昇。
市場予想の0.3%の2倍の伸びとなった。
前年同月比では4.3%と前月の4.0%から伸びが加速した。
失業率が5.2%に改善。

(3)新興国動向

週末の米中首脳の電話会談。
バイデン大統領と中国の習近平国家主席が直接話すのは2月以来、約7カ月ぶり。
新型コロナウイルスの起源を巡る調査が議題になった。
習主席は「両国が相互の核心的な関心事を尊重し、相違点を適切に管理すべき。
気候変動や疫病の予防と制御、景気回復などの問題について、対話と協力を継続すべき」と提案した。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・。

【9月】7勝3敗、(勝率70%、2位)
    気学では「転換月。初め戻り売り。新規投資には銘柄を吟味のこと」

14日(火):米消費者物価
15日(水):機械受注、第三次産業活動指数、米NY連銀製造業景気指数、輸出入物価、鉱工業生産、中国各種経済指標、上げの特異日
16日(木):貿易統計、首都圏マンション販売、菅首相就任1年、米小売り売上高、対米証券収支、フィラデルフィア連銀製造業景況感、変化日
17日(金):自民党総裁選告示予定、米ミシガン大学消費者信頼感、鬼宿日、FTSE日本指数パッシブ売買インパクト
19日(日):ロシア下院選挙・統一地方選挙


もうそろそろ茶番に気が付く時期ではなかろうか。
ジャクソンホールもそうだし雇用統計も同様だ。
通過してしまえばそれだけのこと。
経済指標に縛られて右往左往の市場。
そもそも連立方程式にしてしまうから訳が分からなくなる。
雇用統計の非農業部門雇用者数が市場予想の最低限となってもテーパリング先延ばしと解釈。だったら最初から騒がなければ良い。
経済スケジュールと罫線と多少の需給しかないFX屋さんの面目躍如。
というか限界というか・・・。

「ようやく入った任天堂」というのが225採用銘柄の入れ替え。
市場流動性の点からキーエンス(6861)、村田製作所(6981)、任天堂(7974)を採用する。
業種セクター間の銘柄数の過不足調整により日清紡(3105)、東洋製缶(5901)、スカパー(9412)を除外。
10月1日の算出から入れ替える。
今回から7月発表の新しい選定ルールを適用。
構成銘柄の株価調整には、みなし額面でなく新たに株価換算係数を使う。
入れ替え銘柄数に上限を設けて3銘柄。
採用時の株価は市場価格を原則用いるが著しく高ければ一定水準以下となる株価換算係数を設定する。
この点からキーエンスと任天堂の同係数を0.1、村田製は0.8とする。
また29日から日経平均株価を構成する3銘柄のみなし額面を変更。

日銀がETFを買わなくなった。
3月19日に政策修正してからほぼ半年。
4月以降に日銀がETFを買ったのはわずか2回(合計1400億円)。
7-8月は1回も買わなかった
2カ月連続ゼロは初めてのことになる。
この数年年間年間4兆〜7兆円程度4?7兆円のETFを買ってきた日銀。
今期はわずか1400億円というのが現実だ。
そして「日銀抜きの株価上昇」。
ある意味健全な上昇とも言えようか。

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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