NYダウ22ドル安、一時589ドル安
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【市況】NYダウ22ドル安、一時589ドル安 |
米中貿易摩擦の激化で世界経済の先行きに不透明感が増す中、インド、ニュージーランド、タイの各中央銀行は7日、政策金利の引き下げを決めた。これをきっかけに金融市場では債券に買いが殺到し、長期金利が低下した。米10年物国債利回りは一時1.59%と2年10カ月ぶりの低水準を付けた。長短金利差が縮小し、景気後退リスクが改めて意識された。
投資家の間で株式や原油などリスク資産を売る動きが広がった。
一時は下げ幅を589ドルに広げた。ただ、午後に米長期金利が下げ幅を縮めると米株も急速に下げ渋り、引け間際には前日終値を挟んでもみ合った。
長期金利低下による利ざや悪化懸念からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスといった金融株の売りが目立った。4〜6月期決算が市場予想に届かなかった映画・娯楽のウォルト・ディズニーが大幅に下げたのもダウ平均の重荷だった。
売り一巡後は下げ渋る展開となり、午後には小幅高に転じる場面もあった。米長期金利が低下幅を大きく縮め、過度な景気不安が後退した。コカ・コーラやマクドナルドなど業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株が買われたのも相場を下支えした。ダウ平均の日中の値幅は632ドルに達した。
セクター別では、食品・生活必需品小売や素材が上昇する一方で銀行やエネルギーが下落した。
ナスダック総合株価指数は続伸し、29.561ポイント高の7862.826で取引を終えた。朝方は売りが先行し、一時は130ポイント安となった。売り一巡後は急速に下げ渋り、上昇に転じて終えた。アップルやフェイスブック、マイクロソフトなど主力株の一角が高い。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,007.07−22.45
S&P500種
2,883.98+2.21
ナスダック
7,862.826+29.561
NY金(ドル/トロイオンス)
1,519.60+35.40
NY原油(ドル/バレル)
52.31−1.32
円・ドル
106.20 - 106.21−0.09

シカゴ日経平均先物は小幅安。
9月物は前日比25円安の2万0600円で引け、7日の大取終値を130円上回った。
世界的な金利低下や米中関係の悪化を背景に世界景気の先行き不安が広がり、日経平均先物は米株とともに売りが先行した。
その後は米長期金利が下げ幅を縮めるにつれ、下げ渋った。
この日の9月物安値は2万0205円、高値は2万0645円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
20600 ( +130 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
20610 ( +140 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7198.70(+27.01)
FTSE100種総合株価指数は7日営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ27.01ポイント高の7198.70で引けた。
午後に米株式市場での株価急落を受けて、英株も一時下落に転じる局面があった。ただ、その後はふたたび買いが優勢になった。構成銘柄の約7割が上昇した。
個別銘柄では、金相場が6年4カ月ぶりの高値を付けたことを材料に関連のフレスニージョが高くなった。一時は7%近く上昇した。割安感から医薬品株やたばこ株、酒類のディアジオなど多国籍企業銘柄への買いも目立った。ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントも6.0%高と大幅上昇した。最高経営責任者(CEO)が南米への事業拡張を計画していると伝わったことが買い材料視された。
半面、鉱業株に売りが広がった。原油相場の急落を受けて石油株も売りに転じた。世界景気の減速による需要減退が意識された。個別銘柄では総合ヘルスケアのNMCヘルスは11%安、決算が市場予想に届かなかった生保大手のスタンダード・ライフ・アバディーンは7.5%安と軟調だった。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスもエンジン製造費用の上昇で業績圧迫に懸念が広がり、3.8%安と連日の大幅安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11650.15(+82.19)
ドイツ株式指数(DAX)は4日ぶりに反発した。終値は前日と比べて82.19ポイント高の11650.15だった。
午後に米株安に伴い、一時下落に転じる場面があったものの、下落基調が続いたこともあり、ふたたび買いが優勢になった。
個別では、医薬・農薬大手のバイエルが急反発した。前日安くなった工業用ガスのリンデも上げた。一方で電力のエーオンやオンライン決済サービスのワイヤーカードの下げが目立った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5266.51(+31.86)
フランスの株価指数CAC40は上昇した。