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「余計なおせっかい」
「余計なおせっかい」
株式市場に長年棲息してきて思うこと。
どうしてFXとか仮想通貨にのめり込む投資家さんは多いのだろうか。
株でもそうだが「投資」と思い込んだ「投機」が好まれる国民性なのかも知れない。
金銭に対する欲望とか夢中にしてくれる娯楽性などは株式市場も一緒だろう。
しかし株式市場は「投資市場論」とか「資産形成論」とか「企業統治論」などで脚色されて欲望とう鷹の爪は隠匿された。
しかしFAや仮想通貨は、そのまま欲望ガッツリの世界。
売りや買いという単純作業は株も一緒だが、その手軽さは株よりもFXなどだろう。
これを助長したのがパソコンや携帯の進化。
手元でいくらでも取引できるから一気に損得が決まる。
ここは株も一緒だが、24時間の縛りはない。
ところがFXなどは四六時中取引ができる。
「FXの必勝策は24時間パソコンの前に座って取引をすること」なんていう愚かしい法則まで登場してきた。
「やり過ぎないという事が重要。
時間を定めておく事で心の切り替えがスムーズにする。
金額を定めておく事が大切」。
当たり前のことをあえてまた言われるほど遊戯。
のめり込む習慣になる危険な遊戯と言っても良いのかも知れない。
上か下かしかないのは株も一緒だが、たとえばドル円ならそれしかない。
株も225とTOPIXなど指数だと銘柄数は少ないが、個別銘柄は東京市場でも4000近い。
FXはせいぜいドル円、ユーロ円、ドルユーロ。
気を利かしてトルコだメキシコだと言っても所詮ローカル通貨だしドルの派生商品みたいなもの。
ほとんど何も考えなくても罫線だけを見て上か下かを予測はできる。
しかも実は複雑な要因からの値動きをするのだが、要因が多すぎて逆に罫線だけが頼りの世界。
「衝動的なトレーディングはやめてせめてテクニカル分析はしましょう」なんて言葉が出てくるから興味深い。
せめて?
罫線と経済スケジュールしかないように思えるのは気の所為だろうか。
「短期投資でのレバリッジは、ギャンブル性が強いもの。
レバリッジの掛け過ぎには注意が必要です」。
そういう警告もある。
しかし業界はレバレッジが低下することに反対してきたのも歴史。
警戒感満載の商品を提供することの投資家リスクというのは考慮されていなかったのだろうか。
知識は少なくても簡単だから参加できる。
資金が少なくともレバレッジが補ってくれる。
胴元にとっては素晴らしい仕組みだ。
「うまく負けることが勝つ秘訣」なんて言われれば「負けても大丈夫」なんて錯覚も生じよう。
投資でなく投機を行っているという自覚がないとおそらくのめり込んで打ちのめされる代物。
そもそも自分の身の丈の25倍とかいう投資を実生活でするものだろうか。
年収1000万円の人が2億5000万円の借金をすることがあるだろうか。
フツーに考えれば実にリスクの多いことになるだろう。
それも対象は目に見えない通貨という代物。
住宅ローンは年収の25倍も貸してくれない。
これが現実だ。
何故貸してくれるかといえば貸し倒れがあってもそれ以上に胴元が儲かるからだろう。
「マーチンゲール法(勝つまで倍掛けを続けるギャンブル戦略)はやめましょう。
ナンピン(投資対象の価格が思惑と反対に動いた時に買い増す戦略)もやめましょう」。
親切にリスク回避を説いてくれているように見えても、本質はリスク満載なのだから、あまり役には立たないだろう。
本質は「通貨とか金利とか経済政策とかチャート分析」などの言葉で修飾された投機なのだ。
それでもFXや仮想通貨への参加者は増えこそすれあまり減らない。
これって国民金融資産の健全な育成と考えるべきなのだろうか。
簡単に言えば、単にFXとか仮想通貨は個人的に肌が合わないだけの話。
市場参加者にとっては余計なおせっかいでしかなかろう。

加えれば・・・。
2019年夏にPTSなどに解禁される取引所以外の信用取引。
夜間の信用取引は見送られた。
信用取引のレバレッジは昔から3倍。
それでも個人投資家さんの株売買の6割が信用取引だ。
「少ない元手で大きな資金を動かす」というのは3倍とはいえ株式市場でも魅力となっている。
差金決済が可能だから損益は明確。
現物とは違った魅力になるのだろう。
それでも午後3時以降の信用取引は見送り。
歯止めをかけたというべきなのだろうか。
実務的には空売りの時に株券を貸す日証金などの対応が夜間では万全ではないというのが理由。
いすれ夜間の信用取引が解禁されると、株式市場の投機性はさらに増すのだろうか。
というよりも現物のPTS市場に参戦したネット証券が採算を取れずに撤退したのも歴史。
狐狸の争いはまだ継続していくのだろう。
ただ「動くものならなんでも投資商品対象」というような経営トップの発想にはなかなか首肯できない。


(櫻井)。