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大幅反落570ドル安、インフレ圧力を嫌気
【市況】大幅反落570ドル安、インフレ圧力を嫌気
 
4月30日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比570ドル17セント(1.48%)安の3万7815ドル92セントで終えた。ダウ平均の下げ幅は今年最大だった。同日発表の雇用関連指標が賃金インフレの高まりを示し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期への不透明感が強まった。引けにかけて売りが加速し、この日の安値圏で引けた。
 
朝方発表された1〜3月期の賃金など雇用コストの伸びは前期から加速した。市場予想も上回ったことで賃金インフレ再燃への懸念が広がり、米長期金利が上昇。これを受け、ハイテク株を中心に幅広い銘柄の売りが膨らみ、ダウは引けにかけて下げ幅が拡大した。
 
早期利下げに慎重姿勢を示す米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言にも注目が集まる。インフレが収まらない中、1日の金融政策会合後の記者会見で、「金融緩和により慎重な見解を示す」(市場参加者)との観測も相場を押し下げた。
 
1〜3月期の米雇用コスト指数が前期比1.2%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(1.0%)以上の上昇率となった。2023年10〜12月期(0.9%上昇)も上回り、「インフレ鈍化の停滞を示す新たなデータだった」との声があった。
 
インフレ高止まりでFRBの金融引き締めが長期化し、米景気を冷やすことも警戒された。同日発表の4月の米消費者信頼感指数が97.0と市場予想(103.5)を下回り、22年7月以来の低水準となった。4月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は37.9と市場予想(45.0)に反して低下し、22年11月以来の低さだった。
 
米長期金利は一時、前日比 0.08%高い(債券価格は安い)4.69%に上昇した。長期金利の上昇基調に歯止めがかからず、株式の相対的な割高感が意識された。
 
29日夕にユーロネクスト市場での上場廃止を申請したと発表したキャタピラーが大幅安となった。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、ボーイングも安い。一方、四半期決算が市場予想を上回ったスリーエムは上げた。
 
ダウ平均は月間で1991ドル下げ、6カ月ぶりの下落となった。月間の下げ幅は22年9月以来の大きさだった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数やハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も月間で6カ月ぶりに下落した。
 
ナスダック指数は3営業日ぶりに反落した。前日比325.262ポイント(2.03%)安の1万5657.822で終えた。前日に急伸したテスラの下げが目立った。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
4月30日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比160円安の3万8165円で終えた。
米雇用関連指標でインフレ圧力の根強さが示されたことなどを嫌気、早期の米利下げ観測が一段と後退したとして米株式相場が下落した。投資家心理が悪化し、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38165 ( -305 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38190 ( -280 )

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8144.13(-2.90)

4月30日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに小幅に反落し、前日比2.90ポイント(0.03%)安の8144.13で終えた。英アングロ・アメリカンなどの資源株とシェルなどエネルギー株に売りが優勢で、指数を下押しした。プルーデンシャルなど保険株にも売りが出た。

FTSEの構成銘柄では、国際商品市場で金や銅などの先物価格が下げ幅を広げた場面で、資源株に売りが強まった。産金大手フレスニロが5.50%安と下落率トップだったほか、保険大手プルデンシャルが5.45%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが4.22%安と続いた。一方、金融大手HSBCホールディングスが4.12%高、ホテル大手ウィットブレッドが3.94%高だった。

 



■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17932.17(-186.15)

4月30日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比186.15ポイント(1.02%)安の1万7932.17で終えた。独メルセデス・ベンツグループやBMWといった自動車株が下げ、指数の重荷となった。ソフトウエア大手のSAPなどテクノロジー関連の銘柄にも売りが出た。

個別では、自動車株が下落を主導。30日公表した2024年1〜3月期決算は、いずれも前年同期比で減収減益だった。メルセデス・ベンツ(5.15%安)とフォルクスワーゲン(4.64%安)、高級車メーカーのポルシェ(4.10%安)が軒並み売られた。他方、不動産大手ボノビア(3.94%高)やコメルツ銀行(1.60%高)が買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7984.93(-80.22)

フランスCAC40種指数は0.99%安だった。コスト高や新車需要低迷を背景に収益が悪化した自動車メーカーの株価下落を受け、落ち込んだ。


 
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