NYダウ反発439ドル高、ハイテク株に押し目買い
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【市況】NYダウ反発439ドル高、ハイテク株に押し目買い |
9日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発した。前日比439ドル58セント(1.6%)高の2万7940ドル47セントで終えた。前日まで下げが目立った主力ハイテク株が買い直され、相場を押し上げた。上げ幅は午後に一時700ドルを超えたが、引けにかけてやや伸び悩んだ。
米株式市場では、8月の株価上昇をけん引したハイテク株が、9月3日に急落。連日のように最高値を更新していたナスダック総合指数は前日までの3営業日で1200ポイント超下落。ダウ平均も約1600ドル値を下げた。
9日は一転して、ハイテク株を中心に値ごろ感からの買いが入った。市場では「ハイテク株の業績期待が崩れた訳ではなく、押し目買いが入った」との声が聞かれた。
主力ハイテク株のGAFAM(グーグルの親会社アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)は総じて上昇した。アナリストが目標株価を引き上げたソフトウエアのマイクロソフト、スマートフォンのアップルや顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムも4%前後上げた。
コロナワクチン開発を巡る好材料も買いを誘った。米製薬のファイザーは9日、独企業と共同開発中のコロナワクチンの臨床試験(治験)の結果次第では早ければ10月にも当局に審査を申請する見通しを示した。英製薬のアストラゼネカがワクチンの治験を一時中断すると8日に明らかにしたが、英紙フィナンシャル・タイムズが9日、来週にも再開させる可能性があると伝えた。
ワクチンが普及すれば経済活動の正常化を後押しするとみて、建機のキャタピラーや化学のダウ、銀行のJPモルガン・チェースなど景気敏感株が買われた。前日に大幅に下げた米原油先物相場が持ち直し、シェブロンなど石油株も上昇した。
セクター別ではソフトウェア・サービス、テクノロジー・ハード・機器が大きく上昇。
ナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反発し、前日比293.87ポイント高の1万1141.56で終えた。前日まで売りが目立った電気自動車(EV)のテスラは11%高となった。8日に業績見通しを引き上げた通信半導体のクォルボが大幅高となるなど、半導体関連株も軒並み買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,940.47
+439.58
S&P500種
3,398.96+67.12
ナスダック
11,141.564+293.874
NY金(ドル/トロイオンス)
1,954.90+11.70
NY原油(ドル/バレル)
37.88−0.17
円・ドル
106.17 - 106.19+0.24

9日のシカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前日比155円高の2万3185円で引け、9日の大取終値を215円上回った。
主要ハイテク株の回復や7月JOLT求人件数が予想を上回り経済封鎖前の水準を回復したため投資家心理が改善し、寄り付きから上昇した。米株が反発し、日経平均先物にも買いが波及した。円相場の反落も支援材料だった。
この日の9月物高値は2万3235円、安値は2万2770円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
23185 ( +215 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
23190 ( +220 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6012.84(+82.54)
9日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ82.54ポイント(1.4%)高の6012.84で引けた。指数構成銘柄全体の約8割が上昇した。
欧州連合(EU)離脱の不透明感を背景とした外為相場のポンド安が、外需株を中心に株価を後押しした。
午後に米株相場が反発して始まると英株市場でも買いの勢いが強まり上げ幅を拡大した。
石油やたばこ、鉱業、銀行など多国籍企業株が上昇した。
主な個別銘柄では、食品・日用品のユニリーバや、複数のアナリストが目標株価を引き上げた建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループの上げも目立った。医薬品のアストラゼネカは新型コロナウイルスのワクチンの治験を一時中断すると発表して下げていたが、引けにかけて上昇に転じた。
半面、ワクチンの治験中断によって経済活動の早期再開の期待が後退し、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループやレジャー・外食のウィットブレッドなど旅行関連株に失望売りが広がり軒並み下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13237.21(+268.88)
9日のドイツ株式指数(DAX)は大幅に反発した。終値は前日と比べて268.88ポイント高の1万3237.21だった。
米株式相場の上昇が欧州市場にも波及し、各国の株式相場はそろって上げ幅を拡大した。個別では、米国のハイテク株の上昇を受けて半導体のインフィニオンテクノロジーズとIT(情報技術)のSAPが高かった。ミュンヘン再保険はアナリストによる目標株価の引き上げを材料に上げた。
下落したのは航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズなど3銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5042.98(+69.46)
欧州の主要株式市場も総じて大幅に上昇した。フランスの株価指数CAC40は前日比で1.4%高となった。ティファニーの買収計画を断念すると発表した仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは小幅安で引けた。