3日続伸 ダウ161ドル高で1カ月ぶり高値
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【市況】3日続伸 ダウ161ドル高で1カ月ぶり高値 |
9日のNYダウ工業株30種平均は前日比161ドル39セント高の2万8586ドル90セントと3日続伸した。9月2日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。追加の米経済対策への期待から、景気敏感株などに買いが優勢だった。
追加の新型コロナウイルス経済対策をめぐり、トランプ政権が野党民主党に提案する財政出動規模を約1兆8000億ドル(約190兆円)に引き上げたと伝わった。従来は1兆6000億ドル程度だった。与野党の歩み寄りによって追加対策の実現に近づいたとの見方が株価を押し上げた。
その後、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長がこの増額案について「トランプ氏が承認した」と述べたとも伝わった。民主党案の2兆2000億ドルには届かないが、市場では歩み寄る姿勢が前向きに受け止められた。
ダウ平均の前日比の上げ幅は昼ごろに250ドルに達したが、その後は伸び悩んだ。経済対策の成立には共和党が過半を握る上院での可決が必要になる。共和党上院トップのマコネル院内総務は9日、野党の主張との隔たりが大きいとして「大統領選前に追加の経済対策で合意できないだろう」との認識を示したと伝わった。早期の経済対策の実現は難しいとの警戒感を誘い、積極的な株買いが見送られた。
ソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムがともに2%超上昇した。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)による買収協議が進展していると報じられた同業のザイリンクスは14%高と急騰した。スマートフォンのアップルや建機のキャタピラー、映画・娯楽のウォルト・ディズニーも上げた。
一方、非中核事業の売却を発表し、前日に大きく上げたIBMは3%近く下げた。原油相場が下落し、シェブロンなど石油株も売られた。
セクター別では小売りやソフトウェア・サービスが上昇した一方で、エネルギーが下落。
ナスダック総合株価指数は前日比158.96ポイント高の1万1579.94と過去最高値を付けた9月2日以来の高値で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや検索大手グーグルの親会社アルファベットなどが買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,586.90+161.39
S&P500種
3,477.13+30.30
ナスダック
11,579.944+158.964
NY金(ドル/トロイオンス)
1,926.20+31.10
NY原油(ドル/バレル)
40.52−0.67
円・ドル
105.58 - 105.60−0.40

9日のシカゴ日経平均先物は小幅に反落した。712月物は前日比55円安の2万3560円で引け、9日の大取終値を10円下回った。前夜の大阪取引所で売られた地合いを引き継いだ。
トランプ米大統領がより大きな規模の支援策の用意があるとしたことで追加経済対策期待が続いた。ダウ平均は終日プラス圏で推移した。
米追加経済対策を巡る与野党協議の進展期待から米株が上昇し、買われる場面もあった。この日の12月物安値は2万3530円。高値は2万3720円
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23560 ( -10 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23600 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
9日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ38.62ポイント高の6016.65で引けた。終値で節目の6000を回復したのは9月18日以来、約3週間ぶり。
米国の追加経済対策の進展期待に加え、来週の欧州連合(EU)首脳会議を控えた英国とEUの貿易交渉への進展期待が相場を後押しした。構成銘柄の約7割が上昇した。日中を通して高値圏で推移した。
朝方発表された英国の8月のGDP(国内総生産)は市場予想を大幅に下回る前月比2.1%増にとどまり、回復ペースの鈍化が鮮明となったが、外需株がけん引した。
新型コロナウイルスの感染者数の増加は上値を抑える要因となった。資源株と医薬品株の上昇が株価指数を押し上げた。
個別銘柄では、航空機エンジンのロールス・ロイスは割安感から10月に入り連日急伸し、9日も14%上げた。一時は29%高を付ける場面もあった。教育事業のピアソンとギャンブル事業のGVCホールディングスはそれぞれ、アナリストが株価目標を引き上げたことから大幅高だった。
半面、HSBCホールディングスなど銀行株は下落した。前日に大幅上昇した航空のインターナショナル・エアラインズ・グループは9日、利益確定の売りに押された。ネット専業スーパーのオカド・グループの下げも目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
9日のドイツ株式指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日と比べて9.02ポイント(0.1%)高の1万3051.23だった。
個別では。料理宅配大手のデリバリーヒーローが大幅高だった。半導体のインフィニオンテクノロジーズもアナリストによる株価目標引き上げが好感され買われた。半面、化学のBASFは大幅に下げた。2020年7〜9月期の売上高が減少し、同12月期通期も減収の見通しを発表したことが嫌気された。ハイデルベルクセメントも売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)4,946.81 +34.87
フランスの株価指数CAC40の終値は前日に比べて0.7%高だった。