ダウ3日ぶり反発199ドル高、小売決算を好感
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【市況】ダウ3日ぶり反発199ドル高、小売決算を好感 |
ダウ平均はヘルスケア株や必需品株などのディフェンシブ銘柄がけん引し、ほぼ終日プラス圏を維持した。米長期金利の上昇を眺めて買われた金融株も、指数を支えた。一方、原油安が重しとなったエネルギー株や、金利上昇が嫌気されたハイテク株は軟調。めぼしい材料に欠ける中で方向感に乏しい相場展開となったが、週末を控えて終盤にやや買いが強まった。
市場では、前週発表された米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回ったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために進めている利上げのペースを減速させることへの期待が高まった。だが、ここ数日のFRB高官のタカ派発言を受けて期待がやや後退し、株価を圧迫している。
カジュアル衣料チェーンのギャップや半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が17日夕に発表した決算で売上高や利益見通しなどが市場予想を上回った。ダウ平均の構成銘柄では、今週発表の決算と併せて通期の業績見通しを上方修正したネットワーク機器のシスコシステムズや小売りのウォルマートに買いが続いた。
医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のメルクなど業績が景気に左右されにくいディフェンシブ株の上昇が目立った。ダウ平均は寄り付き直後に280ドルあまり上昇した。
昼すぎには上値が重くなり、小幅安に転じる場面もあった。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが米景気後退を招くとの警戒感が相場の重荷だった。米原油先物相場が下落し、シェブロンなど石油株が売られた。米長期金利が前日の3.7%台半ばから3.8%台前半に水準を切り上げ、相対的な割高感から顧客情報管理のセールスフォースなど高PER(株価収益率)のハイテク株の一角も下げた。
ナスダック総合株価指数はほぼ横ばいで終え、前日比1.105ポイント(0.0%)高の1万1146.063で終えた。主要ハイテク株ではスマートフォンのアップルが上げた一方、電気自動車のテスラや動画配信のネットフリックスが売られるなど高安まちまちだった。

18日のシカゴ日経平均先物は横ばい。12月物は前日比変わらずの2万7965円で引けた。18日の日本の株式相場が下落した半面、NYダウ平均はヘルスケア株や必需品株などのディフェンシブ銘柄がけん引し、ほぼ終日プラス圏を維持した。
日経平均先物は方向感を欠いた。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27965 ( +85 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27970 ( +90 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
18日のFTSE100種総合株価指数は4日ぶりに反発した。前日に比べ38.98ポイント(0.53%)高の7385.52で引けた。前日まで3日続落していた後で、主力銘柄を中心に短期的な戻りを期待した買いが入った。
個別では、小売大手フレイザーズ・グループ(5.9%高)やJDスポーツファッション(4.3%高)など消費関連株が堅調。ロイズ・バンキング・グループ(2.4%高)など金融関連株も買われた。原油安を受け、石油大手シェル(0.9%安)や同BP(0.5%安)は売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
18日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前日に比べ165.48ポイント(1.16%)高の1万4431.86と、6月以来5カ月ぶりの高値で終えた。欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めペースが鈍化するとの期待が広がり、自動車株や資本財株など幅広い銘柄に買いが入った。
個別では、メルセデス・ベンツ(3.3%高)など自動車関連株が買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は1.04%高だった。景気悪化への懸念がやや後退し、買いが優勢となった。