NYダウ小反落、景気敏感株に利益確定売り
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【市況】NYダウ小反落、景気敏感株に利益確定売り |
13日のNYダウ工業株30種平均は小反落し、前日比8ドル22セント安の3万1060ドル47セントで終えた。
ダウ平均は先週、バイデン米次期政権下での大型財政出動への期待で連日史上最高値を更新。この日は新規の手掛かり材料に乏しく、方向感に欠ける展開となった。また、新型コロナウイルス感染再拡大への懸念は株価の重しとなった。米メディアによれば、米国のコロナによる死者数は前日、過去最多を更新した。
ダウ平均は70ドルあまり下げる場面があった。前日に一時1.18%と昨年3月以来の水準に上昇した米長期金利が13日は一時1.07%まで低下した。
13日は原油先物相場も7営業日ぶりに反落した。金利上昇や原油高を背景に年明けから大幅上昇していた景気敏感株が売られた。
半面、ダウは取引後半は、おおむねプラス圏で推移していた。朝方発表された昨年12月の米消費者物価指数(CPI)が前月から0.4%上昇し、市場予想並みの上昇率となったことも、株価にプラスに働いたもようだ。
個別では化学のダウ、機械のハネウェル・インターナショナル、建機のキャタピラーが安い。スポーツ用品のナイキ、小売りのウォルマートなど消費財や小売り株にも下げが広がった。
米下院が6日の連邦議会占拠事件におけるトランプ米大統領の責任を問う弾劾決議案を13日に可決し、2回目の弾劾訴追に動く公算が高まっている。20日の新大統領就任式に向けて首都ワシントンや全米各都市でトランプ支持者による抗議行動が激化する可能性もある。政治混乱への懸念がくすぶり、市場心理の重荷となった面もあった。
ただ、ダウ平均は高く推移する時間帯も多かった。バイデン次期大統領は14日に数兆ドル規模の追加の経済対策を公表する見通し。共和党の抵抗で規模は縮小する見通しだが、新政権発足後の早い段階で経済対策が成立し、米景気を支えるとの観測が強まった。
米長期金利の上昇一服を受け、金利上昇局面で売られやすかった主要ハイテク株や公益事業、不動産に買いが入り、相場を支えた。13日に最高経営責任者(CEO)の交代を発表した半導体のインテルが7%高。スマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムも上昇した。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比56.517ポイント(0.4%)高の1万3128.951で終えた。動画配信のネットフリックスやネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇した
NYダウ工業株30種(ドル)
31,060.47−8.22
S&P500種
3,809.84+8.65
ナスダック
13,128.951+56.517
NY金(ドル/トロイオンス)
1,844.20−6.60
NY原油(ドル/バレル)
52.86−0.35
円・ドル
103.85 - 103.91+0.17

13日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比255円高の2万8445円で引け、13日の大取終値を15円下回った。
下院がトランプ大統領の弾劾手続きに入り政局不安に寄り付き後下落した。12月消費者物価指数(CPI)でインフレの急伸が見られず連邦準備制度理事会(FRB)が長期にわたり大規模緩和を維持するとの見方が強まったほか、大規模財政支援への期待を受けた押し目からの買いが支えた。
この日の3月物高値は2万8500円、安値は2万8100円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28445 ( -15 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28465 ( +5 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6745.52(−8.59)
13日のFTSE100種総合株価指数はほぼ横ばいだった。前日の終値に比べ8.59ポイント(0.1%)安の6745.52で引けた。上昇と下落の銘柄数はほぼ拮抗した。
欧州各国で新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、景気への悪影響が懸念され売りがやや優勢だった。景気に敏感な銀行株と資源株が売られ株価指数を押し下げる一方で、医薬品株の上昇が下値を支えた。
個別銘柄では、住宅建設のパーシモンは6%超の下落だった。2020年12月期決算が減収となり売られた。料理宅配のジャスト・イートも4%超下げた。同社が13日に示した20年12月期の売上高の伸び率が市場の予想範囲内だったため嫌気された。
半面、製薬大手アストラゼネカが1.7%高と締まり、ネット専業スーパーのオカド・グループは上昇した。通信大手ボーダフォンも1.4%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13939.71(+14.65)
13日のドイツ株式指数(DAX)はほぼ横ばいだった。終値は前日と比べて14.65ポイント(0.1%)高の1万3939.71だった。
午前は小幅安で推移した。欧州で新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための行動規制が長期化しており、景気への悪影響が懸念された。午後はやや買いが優勢となった。
個別では、アナリストが株価目標を引き上げたドイツポストが買われた。医薬・農薬大手のバイエルも4%超の上昇と目立った。料理宅配大手のデリバリーヒーローは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5662.67(+11.70)