兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
会員情報作成
ログイン
初めてのお客様は、
『会員情報作成』から登録をお願い致します。
反落、先物主導で一段安下げ幅300円超
東京株式(前引け)=反落、先物主導で一段安下げ幅300円超

24日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前営業日比337円38銭安の2万9436円73銭だった。
朝方から買い手控えムードのなか、日経平均は反落して始まったが、その後も主力株中心に売り物に押される動きで次第安の展開を強いられた。午前11時過ぎあたりから、先物主導で一段安となり日経平均の下げ幅は340円前後まで広がった。
前日の米国株市場は主要株指数が高安まちまちの展開だったが、米長期金利の上昇を背景にハイテク株に売りが優勢で、その流れが東京株式市場にも波及した。前場終盤になって先物主導の売り仕掛けが入る格好となった。
 
バイデン米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を再任すると22日に発表した。量的金融緩和の縮小が順調に進展するとの見方から、米国市場では長期金利が23日に1.6%台後半まで上昇した。米国市場のハイテク株安の流れが波及して、東京市場でも金利上昇で割高感が意識されやすくなった高PER(株価収益率)株に売りがかさんだ。
 
日経平均が心理的な節目の3万円に近づいているのを意識し、利益確定や戻り待ちの売りも出た。「4〜9月期の決算発表が終わって、企業の持ち合い解消の売りが出やすくなっていることも相場の重荷になっている」との声も聞かれた。
 
一方、外国為替市場で円相場が1ドル=115円台まで下落し、輸出採算の改善期待で自動車株には買いが目立った。米金利上昇で金融関連株にも買いが入った。
 
市場からは「米国の長期金利上昇とともに早期利上げ前倒しへの警戒感が強まりつつある。米国株に調整リスクがあり、日経平均はいったん2万9000円を割り込む可能性がある」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4137億円、売買高は6億3630万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1343と、全体の約6割を占めた。値上がりは710銘柄、変わらずは123銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)はサービス業、情報・通信業、精密機器などが下落。上昇は鉱業、石油・石炭製品、電気・ガス業など。
 
個別では、米長期金利の大幅上昇を背景にレーザーテック、アドバンテスト、ルネサスなどの半導体関連株から、ソニーG、キーエンス、ソフトバンクGなどのハイテク株、ベイカレント、エムスリー、ZHDなどのグロース(成長)株まで、株価バリュエーションの高い銘柄に広く売りが広がっている。リクルートや資生堂も安い。東証1部の下落率上位には、SansanやSHIFT、ラクスなど高値圏にあるグロース銘柄が並んだ。
 
一方、約5年ぶりに1ドル=115円台まで進んだ円安・ドル高を追い風にトヨタ自、日産自、三菱自やマツダなどの自動車関連が大幅高。米長期金利の上昇を受けて三菱UFJや三井住友、東京海上、SOMPOなどの金融株も上昇。バイデン米政権が日本や中国などと協調した石油備蓄放出を発表したものの、規模が大方の予想を下回ったことなどからWTI原油先物価格が大幅反発、これを受けINPEXが急伸、三井物産、丸紅、住友鉱など資源関連株も大幅高となっている。そのほか、安川電機がハイテク株安のなか逆行高となっており、キリンHD、マネックスGが大きく上昇している。
 
東証2部株価指数は前営業日比29.01ポイント安の7622.30ポイントと反落した。
出来高は1億8227万株。値上がり銘柄数は150、値下がり銘柄数は225となった。
 
個別ではギグワークス、日本調理機、パシフィックネット、山喜、田岡化学工業など8銘柄が年初来安値を更新。アドテック プラズマ テクノロジー、天昇電気工業、テラプローブ、岡本工作機械製作所、青山財産ネットワークスが売られた。
 
一方、竹田印刷、光陽社、東京ソワールがストップ高。エスティック、AMGホールディングスなど3銘柄は年初来高値を更新。ピーエイ、いい生活、東京ボード工業、ナガホリ、千代田化工建設が買われた。

 
a