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ダウ5日続落271ドル安高、景気回復の鈍化懸念
【市況】ダウ5日続落271ドル安高、景気回復の鈍化懸念

 
10日のNYダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比271ドル66セント(0.8%)安の3万4607ドル72セントと7月20日以来の安値で終えた。
 
主要株価指数の取引序盤は上昇。バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が前日に電話会談したと伝わり、両国間の関係改善への期待感が相場を下支えした。
 ただ、株価はその後軟調に推移し、引けにかけてマイナス幅を広げた。コロナの変異株「デルタ株」の感染拡大が引き続き投資家心理を圧迫したほか、株価が史上最高値圏で推移していることも、利益確定売りを誘った。また、新規の手掛かり材料も少なく、総じて方向感に乏しい展開となった。アップルがスマートフォンアプリ開発企業向けに設けた規則に対し、米連邦地裁が差し止めを命じたことを受けて、アップル株が売られ、相場全体を下押した。
 
新型コロナの感染拡大が米経済活動の正常化を遅らせるとの見方から、今週は年後半の米経済成長率見通しを引き下げるエコノミストが相次いだ。米景気動向を占ううえで来週発表される8月の小売売上高などの経済指標を見極めたいとして、買いを見送る市場関係者も多かった。
 
米中関係を巡る不透明感が改めて意識されたのも相場の重荷となった。バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は9日、7カ月ぶりに電話で協議した。10日の朝方の市場では両国の歩み寄り姿勢が好感された。ただ、「バイデン政権が中国政府による補助金が米経済に与える影響についての調査実施を検討している」とも伝わり、両国関係の緊張が高まる可能性が意識された。
 
アップルが3%下げた。人気ゲーム「フォートナイト」の開発元のエピックゲームズがアップルのアプリ配信や課金の仕組みが反競争的だと訴えていた裁判で、カリフォルニア州の連邦地裁が10日、アップルに課金ルールの見直しを命令を出したのが嫌気された。
 
値がさ株で医療保険のユナイテッドヘルス・グループが2%下げたのもダウ平均を押し下げた。アナリストが新型コロナの感染拡大による業績への悪影響を理由に投資判断を引き下げた同業のシグナ株が大きく下げ、ユナイテッドヘルスにも売りが出た。ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや航空機のボーイングも安い。
 
ダウ平均は高く推移する場面もあった。足元で下げが目立っていた化学のダウなど景気敏感株の一角に値ごろ感からの買いが先行した。ただ、相場の上値の重さが確認されると、一転して幅広い銘柄に対する売りが勢いを増した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比132.760ポイント(0.9%)安の1万5115.494で終えた。ネット検索のアルファベットやネット通販のアマゾン・ドット・コムなどが下げた。電気自動車(EV)のテスラは2%超下落した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,607.72−271.66
S&P500種
4,458.58−34.70
ナスダック
15,115.494−132.760
NY金(ドル/トロイオンス)
1,792.10−7.90
NY原油(ドル/バレル)
69.71+1.57
円・ドル
109.88 - 109.90−0.07
 


 

【シカゴ日本株先物概況】


10日のシカゴ日経平均先物は小幅に反落した。12月物は前日比10円安の2万9935円で引け、10日の大取終値を225円下回った。
NYダウは、押し目買いが強まり、上昇して寄り付いた。しかし、8月生産者物価指数(PPI)の引き続き大幅な伸びで、高インフレへの警戒感に売りに拍車がかかり下落に転じた。
新型コロナウイルスの感染拡大による景気鈍化への警戒感が広がり、日経平均先物は、米株とともに売られた。朝方は10日の米中首脳の電話協議を好感し、米株とともに買われる場面もあった。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
29935 ( -225 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
29970 ( -190 )
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数 
10日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら4日ぶりに反発した。前日の終値に比べ4.99ポイント高の7029.20で引けた。
アジア株高を好感し、買いが先行した。朝方発表された7月の英実質GDP(国内総生産)は前月比0.1%増にとどまったものの、指数構成銘柄の半数弱が上昇した。
銅や原油相場高を受けて、主力の資源株と石油株が高くなり指数を下支えした。週末を控えた持ち高調整の売りなどで引けにかけて上げ幅は縮まった。
 
個別銘柄では、産銅大手アントファガスタが3.5%高、鉄鋼大手エブラズが3.1%高、エンジニアリング会社ウィアーグループが2.9%高と買われた。
一方、午前は上昇していた銀行株は、利益確定の売りでほぼ全銘柄が下落した。ブリティッシュ・エアウェイズを傘下に持つ航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は大幅安だった。アナリストが目標株価を引き下げたことが売り圧力になった。航空機エンジンのロールス・ロイスも下げた。



■ドイツ・フランクフルト株価指数
10日のフランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は小幅に反落した。終値は前日と比べて13.34ポイント(0.1%)安の1万5609.81だった。
 
透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアが大幅安だった。アナリストが目標株価と投資判断を同時に引き下げたことが響いた。ドイツテレコムの下げも目立った。半導体のインフィニオンテクノロジーズや産業機器のシーメンスは上げた。



■フランス・パリ株価指数
6,663.77 -20.95
フランスの株価指数CAC40は下落した。

 
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