NYダウ250ドル高、主力ハイテク株が後押し
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【市況】NYダウ250ドル高、主力ハイテク株が後押し |
12日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比250ドル62セント高の2万8837ドル52セントで終えた。9月2日以来の高水準。
政策期待などで中国・上海株式相場が大幅に上昇し、米国株への買いにつながった。今週から本格化する米企業の決算内容が市場予想以上になるとの思惑から主力ハイテク株や金融株への買いが目立った。
トランプ米政権は9日、増額した新型コロナウイルスの追加経済対策を野党民主党に提示。受け入れられなかったものの、11日には限定的な救済策の早期実現を要請したと報じられ、交渉進展への楽観的な見方が広がった。
今週から米大手銀行の2020年7〜9月期決算など企業の決算発表が本格化する。7〜9月期には新型コロナウイルスのまん延を防ぐための経済活動の制限措置の緩和が進んだ。「S&P500種株価指数の構成銘柄の1株利益は市場の想定を上回る」と好調な業績内容が相次ぐとの見方が出ている。金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが上昇し、ダウ平均の上げ幅は一時300ドルを超えた。
大手ハイテク株への買いも相場を押し上げた。スマートフォンのアップルは13日、高速通信規格「5G」に初めて対応する「iPhone」を発表するとみられている。新機種の発売が、消費者の買い替えを促すとの思惑から株価は6%高となった。13日に有料会員向けセール「プライムデー」の開催を控えるインターネット通販のアマゾン・ドット・コムも大幅に上昇した。
欧州や米国では新型コロナの新規感染者数が増加傾向にある。運航停止が長引くとの懸念から、カーニバルなどクルーズ船株は下落した。レジャー需要の持ち直しが遅れるとの懸念から空運株も軟調だった。
米追加経済対策を巡っては、依然として米議会の共和党と民主党で協議はまとまっていない。ムニューシン米財務長官が11日、中小企業向けの給与保護プログラムを巡る法案を単独で直ちに採決すべきだと呼びかけたと伝わるなど、協議の先行きを見極めたい雰囲気が根強い。
セクター別ではテクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、耐久消費財・アパレルが下落。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前週末比296.32ポイント高の1万1876.26で終えた。過去最高値をつけた9月2日以来の高水準。広告事業の持ち直しへの期待が強い検索サービス大手グーグルの親会社のアルファベットやSNS(交流サイト)のフェイスブックなど大手ハイテク株が上昇した。エヌビディアなど半導体株も軒並み上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,837.52+250.62
S&P500種
3,534.22+57.09
ナスダック
11,876.259+296.315
NY金(ドル/トロイオンス)
1,928.90+2.70
NY原油(ドル/バレル)
39.56+0.13
円・ドル
105.29-105.33−0.26

12日のシカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前週末比55円高の2万3615円で引け、12日の大取終値を95円上回った。
NYダウは、大統領選挙の世論調査で、民主党バイデン候補の勝率上昇を背景に、大規模な経済対策への期待が強まり上昇して寄り付いた。アップルやアマゾンのイベントを控えてハイテク株の急伸も後押しし引けにかけて上げ幅を拡大する展開となった。
米企業の好決算への期待から米株が上昇し、日経平均先物に買いが波及した。
この日の12月物高値は2万3640円。安値は2万3480円。
シカゴ日経225先物12月限(円建て)
23615(+95)
シカゴ日経225先物12月限(ドル建て)
23640(+120)
()は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE1006001.38(−15.27)
12日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末の終値に比べ15.27ポイント安の6001.38で引けた。上昇した銘柄数は半数をやや上回った。
ジョンソン英首相は12日中に新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための新たな規制を発表する見通しだ。発表を控え警戒感が広がり、日中を通して値動きは限定的だった。原油相場の下落を背景にBPなど石油株が売られ、鉱業株の下げとともに株価指数を押し下げた。
個別銘柄では、今月に入り買い戻しが続いた航空機エンジンのロールス・ロイスは12日の引け間際に急落し、12%安となった。衣料小売りのネクストも大幅に下げた。産業用ソフトウエアのアヴィバグループの下げも目立った。2021年3月期通期の業績について横ばいとの見通しを改めて示したことが嫌気された。
一方、包装のDSスミスは、アナリストによる株価目標の引き上げが好感され買われた。投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストも大幅高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX13138.41(+87.18)
12日のドイツ株式指数(DAX)は6日続伸した。終値は前週末と比べて87.18ポイント高の1万3138.41だった。アジア株の上昇につれ高となり、朝方から買いが先行した。
自動車のダイムラーは、複数のアナリストが投資評価を引き上げたことから買われた。同業のフォルクスワーゲンも上げた。半導体のインフィニオンテクノロジーズもアナリストによる株価目標引き上げなどが好感され上昇した。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC404979.29(+32.48)