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続落、一時350円超安米株安受け利益確定売り
東証プライム市場(前引け)=続落、一時350円超安米株安受け利益確定売り
 
 
24日午前の日経平均株価は続落し、前日比333円94銭(1.08%)安の3万0623円83銭で前場を終えた。
前日の欧米株市場がほぼ全面安に売られたことで、利益確定売りを急ぐ動きが顕在化した。日経平均は先物主導で前場取引後半に下げ足を強め、一時360円安で3万500円台まで下落する場面があった。東京株式市場では5月に入ってからも海外投資家の買い攻勢が観測され、全体指数が大きく押し上げられてきたが、足もとでその反動が出ている。
 
日経平均は5月に入り、前日までで2000円以上水準を切り上げてきた。テクニカル分析上で長期トレンドを示し、2万7700円台にある200日移動平均からの上方乖離(かいり)率は10%を超えている。短期的な過熱感が強まっていることも売り材料視された。
 
急ピッチで上昇してきた日本株については、海外勢の日本株への見方が変わってきているなか、下げはあくまで外部環境につられた一時的なものであるとして強気な姿勢を維持している市場関係者が多い。ただ、相場の基調転換を示唆する材料はいくつか確認されており、短期筋の持ち高が大きく積み上がっていたことを考えると、短期的には調整局面入りに注意を払いたい。
 
にわかに台頭しはじめたのが中国での新型コロナ感染の再拡大だ。オミクロン株「XBB」系統が先月下旬から感染拡大に拍車をかけているようで、ピークを迎える6月末にかけては週に約6500万人が感染するとの試算が伝わっている。
市場関係者の間では、中国人訪日客の復活が期待されていたなか、日本国内でのインバウンド消費への期待が後退しかねない、また「内需主導の底堅い経済」という日本株シナリオの重要要素が一つ欠けることになると懸念する声も聞かれる。
 
東証株価指数(TOPIX)は11.73ポイント安の2149.76と続落で午前の取引を終えた。
 
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5461億円、売買高は5億9514万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1111と、全体の約6割を占めた。値上がりは622、変わらずは101銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では空運業、サービス業、陸運業などが下落。電気・ガス業、鉱業、石油・石炭製品などは上昇した。
 
個別では、ファーストリテイリングも下落した。ソフトバンクグループも安い。キーエンスが売られ、リクルートホールディングスも水準を切り下げた。海外市場での高級品小売株の大幅下落を受けて資生堂、コーセーが大きく下落。中国での新型コロナ感染再拡大を嫌気し三越伊勢丹、マツキヨココ、パンパシHD、寿スピリッツ、オリエンタルランド、JAL、JR東海などのインバウンド関連も軒並み大幅安。オイシックス・ラ・大地が急落、コーセー、円谷フィールズホールディングス、マツキヨココカラ&カンパニーも大きく下値を探る展開となった。
 
半面、23日に大引け直前で急落したトヨタ自動車が逆行高。ソシオネクストが買い人気を集め、レーザーテックもプラス圏をキープした。三菱重工業が頑強な値動き。中国電力、東北電力など電力株の上昇が目立つ。日立建機、ファナック、SOMPO、コンコルディも買われた。

 
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