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NYダウは84ドル安と2日続落、米中関係の緊張を嫌気
【市況】NYダウは84ドル安と2日続落、米中関係の緊張を嫌気

 20日のNYダウ工業株30種平均は米中経済関係の緊張を嫌気して続落した。前週末比84ドル10セント安の2万5679ドル90セントで終えた。
トランプ米大統領は先週、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)などを念頭に、国家安全保障に深刻な脅威をもたらす恐れのある外国企業の通信機器使用を禁じる大統領令に署名。商務省もファーウェイを安全保障上のリスクが高い外国企業のリストに追加し、同社への米ハイテク製品輸出を原則禁止すると発表した。
 
こうした政府方針を受け、IT大手グーグルや半導体大手インテルなどがファーウェイとの取引を停止することが伝わり、この日の市場では米中摩擦激化への懸念が台頭。ハイテク株を中心に売りが膨らみ、ダウは一時203ドル安まで下げた。
 
中国事業の比重が大きい銘柄が幅広く売られ相場の重荷になった。スマホの生産と販売で中国に依存するアップルは3%強下げ、ダウ平均を押し下げた。ダウ平均構成銘柄では、中国売上高が大きい建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も下落した。
 
一方、ベライゾン・コミュニケーションズは大幅に上昇し、ダウ平均の支えになった。米連邦通信委員会(FCC)のパイ委員長が米携帯電話3位のTモバイルUSと同4位のスプリントの経営統合の承認を委員会に薦める考えを示したと伝わった。米携帯電話市場の競争が緩和する思惑が強まった。
 
市場では「米国の相次ぐ強硬措置に中国の態度も硬化してきている。次回の貿易協議の日程が定まらないことなどからも対立の深さがうかがえる」との指摘が出ていた。
 
セクター別では、電気通信サービスや食品・生活必需品小売が上昇する一方で半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハード・機器が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は前週末比113.91ポイント安の7702.375で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,679.90−84.10
S&P500種
2,840.23−19.30
ナスダック
7,702.375−113.910
NY金(ドル/トロイオンス)
1,277.30+1.60
NY原油(ドル/バレル)
63.19+0.09
円・ドル
110.06 - 110.07−0.05


 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は続落した。
6月物は前週末比80円安の2万1145円で引け、20日の大取終値を165円下回った。
米中貿易摩擦の激化懸念が広がり日経平均先物は米株とともに売られた。

米政府による中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への制裁が景気悪化を招くとの見方から、投資家心理が悪化した。
 

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21145 ( -165 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21155 ( -155 )
( )は大阪取引所終値比
 
 


【欧州株式市場】


■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7310.88(−37.74)
FTSE100種総合株価指数は続落した。前週末の終値に比べ37.74ポイント安の7310.88で引けた。買いが優勢で始まった。ただ、その後は金融株を中心に幅広い銘柄に売りが広がり下落幅が広がった。
米IT大手グーグルが中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)にスマートフォン向け基本ソフトの提供を停止したと伝えられ、「米中IT戦争」の激化に懸念が広がった。ただ、メイ英政権が末期症状の様相を呈する中、通貨ポンドの弱含みが株価の下支え要因となった。指数構成銘柄全体の約8割が下落した。
 
個別銘柄では、コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングは大幅安、アフリカのボトリング企業に対する再フランチャイズ計画を取りやめたことで失望売りが出た。
旅行代理店大手TUIは6.4%安、TUIには欧州格安航空会社(LCC)最大手のライアンエアー・ホールディングスの株価が大幅下落したことをきっかけに、旅行業界への影響を意識した売りが出た。英LCCのイージージェットも安かった。
 
半面、原油高を追い風に石油株は上昇した。アナリストが投資判断と目標株価を同時に引き上げたロシアの鉄鋼大手エブラズの上げが目立った。携帯電話サービスのボーダフォン・グループも買われた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12041.29(−197.65)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅続落した。終値は前週末と比べて197.65ポイント安の12041.29だった。構成銘柄の9割近くが下落した。
 
半導体のインフィニオンテクノロジーズが大幅下落し、指数を押し下げた。
 
個別では、インフィニオンテクノロジーズは、米国による中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の制裁措置を受けて同社への取引を停止したもようとの一部報道が売り材料視された。インフィニオン側はコメントを控えている。配当の権利落ちとなった医療機器のフレゼニウスも安かった。自動車株への売りも目立った。
一方、アナリストが投資判断を引き上げたオンライン決済サービスのワイヤーカードが高かった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5358.59(−79.64)
フランスの株価指数CAC40は1%以上、下落した。

 
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