ダウ続落269ドル安、景気回復の減速を警戒
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【市況】ダウ続落269ドル安、景気回復の減速を警戒 |
7日のNYダウ工業株30種平均は続落し、3連休前の前週末に比べて269ドル09セント(0.8%)安い3万5100ドル00セントで終えた。新型コロナウイルスの感染拡大で米景気の回復が遅れるとの警戒感から、景気敏感株を中心に売りが優勢となった。
6日のレーバーデーが明け、多くの市場参加者が夏季休暇から復帰する中、景気回復ペース鈍化への懸念から、今週の取引は売り優勢で始まった。
コロナの変異株「デルタ株」の拡大で、米国での感染者数は7月以降に再び増加。足元では新規感染者数の伸びは鈍化しつつあるものの、デルタ株の拡大を背景に、8月の米雇用統計などここ最近の経済指標は減速傾向を示している。
ゴールドマン・サックスが6日、2021年10〜12月期の米実質国内総生産(GDP)伸び率の見通しを引き下げ、投資家心理の重荷となった。
景気敏感株ではアナリストがアジアの供給網の混乱が収益の重荷になると指摘したと伝わった工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が5%近く下げた。機械のハネウェル・インターナショナルも安い。中型機「787」の出荷再開が遅れると伝わった航空機のボーイングも2%下げた。
株価の上値余地の乏しさを理由にアナリストが投資判断を「買い」から「中立」に下げた製薬3社が売られたのもダウ平均を押し下げた。アムジェンが2%強下げ、メルクとジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は2%近く下落した。
一方、緩和的な米金融政策が継続され、低金利が追い風になるとの見方から主力ハイテク株は総じて買われ、相場を支えた。14日に特別イベントを開くと発表したスマートフォンのアップルは、新型「iPhone(アイフォーン)」への期待も買いを後押しした。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前週末比10.812ポイント高の1万5374.328と連日で過去最高値を更新した。動画配信のネットフリックスは上場来高値を更新した。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,100.00−269.09
S&P500種
4,520.03−15.40
ナスダック
15,374.328+10.812
NY金(ドル/トロイオンス)
1,798.50−35.20
NY原油(ドル/バレル)
68.36+0.01
円・ドル
110.25 - 110.27+0.36

7日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前週末比370円高の2万9965円で引け、7日の大取終値を65円上回った。
先週末に菅義偉首相が退陣の意向を表明し、新政権の経済対策を期待する買いが続いた。円安も支援材料になった。
先週発表された8月雇用統計が予想を大幅に下回ったことを受けて、景気回復ペース減速が警戒され、NYダウは、寄り付き後、下落した。新型コロナウイルスのデルタ株による経済への影響や財政支援の終了でエコノミストが成長予測を引き下げたことも手伝い、ダウは終日軟調に推移した。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
29965 ( +65 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
29965 ( +65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7149.37(−37.81)
7日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ37.81ポイント(0.5%)安の7149.37で引けた。
欧州中央銀行(ECB)定例理事会を9日に控え、利益確定売りが優勢となった。指数構成銘柄の約8割が下落した。
医薬品株の下落が株価指数の下げに大きく影響した。
個別では、医薬品のアストラゼネカの下落が目立った。ネット専業スーパーのオカド・グループは、アナリストによる株価目標引き下げが響いて売られた。住宅建設のバークリー・グループは3%安だった。
一方、アナリストが株価目標を引き上げた包装のDSスミスは2.8%高と買われた。
外食・ホテル大手ウィットブレッドが2.4%高、生活用品大手レキット・ベンキーザーが2.2%高と堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15843.09(−89.03)
7日のドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて89.03ポイント安の1万5843.09だった。午後に下げ幅を広げた。
個別では工業用ガスのリンデと医薬・化学大手の独メルクの下げが目立った。ドイツ銀行は買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6726.07(−17.43)