反落 ダウ112ドル安、米中協議の先行きに警戒感
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【市況】反落 ダウ112ドル安、米中協議の先行きに警戒感 |
29日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落した。感謝祭前の27日と比べて112ドル59セント安の2万8051ドル41セントで終えた。
トランプ米大統領は27日、香港の自治と人権の擁護を目的とする「香港人権・民主主義法案」に署名、成立させた。香港の反政府デモを支援する米国の動きに、中国外務省は「断固反対する」と反発。香港情勢が両国の貿易協議の進展に悪影響を及ぼすのではないかとの警戒感が広がった。米株相場は過去最高値圏にあり、利益確定売りが優勢になった。
感謝祭翌日のこの日は午後1時までの短縮取引で、市場では「参加者が少なく、動きにくい」との指摘も出ていた。
米中関係の悪化リスクを警戒して「中国関連」とされる化学のダウや工業機器・事務用品のスリーエム(3M)、建機のキャタピラーなどが売られた。
また、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の会合を来週12月4〜6日に控え、供給過剰懸念から原油先物相場が下落。エクソンモービルやシェブロンなどのエネルギー株に売りが膨らみ、相場の重しとなった。
ダウ平均は11月だけで1000ドルあまり上昇し、米株は高値警戒感が強まっている。週末だったこともあり、引けにかけて利益確定や持ち高調整の売りが出やすかった。
一方、感謝祭明けから本格化した年末商戦が好調になるとの期待から小売りのウォルマートは上げて終えた。
セクター別では家庭用品・パーソナル用品を除いて全面安となり、特にエネルギーや半導体・半導体製造装置の下落が目立った。
ナスダック総合株価指数も5営業日ぶりに反落し、39.704ポイント安の8665.471で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,051.41−112.59
S&P500種
3,140.98−12.65
ナスダック
8,665.471−39.704
NY金(ドル/トロイオンス)
1,472.70+11.90
NY原油(ドル/バレル)
55.42−2.69
円・ドル
109.44 - 109.45+0.03

シカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は27日比260円安の2万3330円で引け、29日の大取終値を40円上回った。
米中貿易交渉の先行き警戒感が広がり、日経平均先物は米株とともに売られた。
トランプ米大統領は27日に香港人権法案に署名し、同法が成立した。中国は28日に「内政干渉」と反発し、米中貿易交渉の停滞を招くとの懸念が市場に広がった。
この日の12月物安値は2万3280円、高値は2万3590円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23330 ( +40 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23330 ( +40 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は小売株や銀行株の主導で続落した。前日の終値に比べ69.90ポイント安の7346.53で引けた。構成銘柄の約8割が下落した。午後に下げ幅が広がった。
香港をめぐる米中対立で両国間の貿易協議の進展期待が後退し、売りが広がった。資源と金融株の下落が株価指数を押し下げた。
個別銘柄では、保険のセント・ジェームズ・プレイスは、ゴールドマン・サックスによる投資判断引き下げが響いて下がった。スーパーマーケットのテスコは3%超の下落と目立った。アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの民間医療サービス最大手NMCヘルスケアと英資産運用会社ハーグリーブズ・ランズダウンはいずれも2.4%安。英衣類小売ネクストは2.3%安だった。
一方、オカドは9%超上昇した。一時は15%急伸した。日本のイオンが29日、人工知能(AI)やロボットを駆使した物流や宅配に強みを持つオカドと戦略的パートナーシップを結んだと発表したことが好感された。金価格の上昇を受けて、関連のフレスニージョも1.2%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は小幅に続落した。終値は前日と比べて9.20ポイント安の13236.38だった。米中貿易協議の先行き不透明感から売られた。
個別では、タイヤのコンチネンタルと素材メーカーのコベストロが下落した。一方、電力のエーオンとオンライン決済サービスのワイヤーカードは買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,905.17 -7.55