NYダウ4日続伸38ドル高 米中貿易協議の進展期待
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【市況】NYダウ4日続伸38ドル高 米中貿易協議の進展期待 |
ムニューシン米財務長官がテレビインタビューで米中通商協議の進展に言及し買いが先行した。米中が歩み寄りをみせていると受け止められ、中国売上高比率が高い建機のキャタピラーや化学のダウ、半導体のインテルなどに買いが優勢だった。米債券市場では相対的に安全資産とされる米国債が売られ、米長期金利が上昇した。利ざや悪化懸念が薄れ、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が大きく上げた。
しかし午後に入り、米中貿易摩擦の解消に対する懐疑的な見方や、12日に開催予定である欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策発表を見極めたいとの思惑が広がり、上げ幅を縮小してもみ合う展開となった。
主要500社ベースの予想PER(株価収益率)は17倍前後に達し、過去1年近くのレンジの上限に近づいている。高値警戒感から、上昇基調が続いていたマイクロソフトなどが利益確定売りに押された。開発中の大型旅客機「777X」の試験の1つを中止したことが明らかになった航空機のボーイングが売られた。
セクター別では、銀行や自動車・自動車部品が上昇する一方でソフトウェア・サービスや商業・専門サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は続落し、前週末比15.637ポイント安の8087.437で終えた。
今週は12日の欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が注目イベント。17〜18日に連邦準備制度理事会(FRB)、18〜19日に日銀も金融政策会合を控えており、主要中央銀行のイベントラッシュの先陣を切って、ECBが金融緩和に踏み切るかが注目されている。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,835.51+38.05
S&P500種
2,978.43−0.28
ナスダック
8,087.437−15.637
NY金(ドル/トロイオンス)
1,511.10−4.40
NY原油(ドル/バレル)
57.98+0.13
円・ドル
107.19 - 107.20+0.23

シカゴ日経平均先物は4営業日続伸した。
9月物は前週末比130円高の2万1350円で引け、9日の大取終値を20円上回った。
米中貿易協議の進展期待が買いを支えた。
9日のムニューシン米財務長官の発言などを手掛かりに米中合意に向けて歩み寄りが進むとの期待が高まった。
この日の9月物高値は2万1375円、安値は2万1185円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21350 ( +20 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21350 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7235.81(-46.53)
FTSE100種総合株価指数は反落した。
前週末の終値に比べ46.53ポイント安の7235.81で引けた。
外国為替市場でポンド高が進み、外需株を中心に株価には逆風となった。英国の欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」の可能性が後退したほか、7月のGDPが前月比0.3%増と予想外に堅調だったことが、ポンド買いを誘った。
ポンド高が収益を圧迫するとの見方から海外の収益率が大きい銘柄への売りが目立った。多国籍企業銘柄を中心に構成銘柄の7割近くが下落した。
主な個別銘柄では、医薬品株やたばこ株のほか、飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング、酒類のディアジオ、食品・日用品のユニリーバなどの多国籍企業が軒並み下落した。ソフトウエア関連株も売りに押された。衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは、主力部門の激安衣料チェーン「プライマーク」の2019〜20年の業績が低下するとの見通しを示したことが響き下げた。鉱業株のBHPグループとリオ・ティントは売りに転じた。
半面、保険大手アヴィヴァアが2.9%高、同プルーデンシャルも2.5%高となるなど、保険株がしっかり。石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株、B株ともに0.8%高と締まった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12226.10(+34.37)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前週末と比べて34.37ポイント高の12226.10だった。
12日に欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、ECBが追加緩和に向かうとの観測が相場を支えた。輸出株が相場をけん引した。
個別では、ハイデルベルクセメントが高かった。タイヤのコンチネンタルをはじめ自動車関連株は軒並み上昇した。アナリストが目標株価を引き下げた不動産のボノビアが安くなった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5588.95(-15.04)
欧州の主要株式市場はいずれも小動きとなるなか、フランスの株価指数CAC40だけが小幅に下落した。