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サイバー攻撃の脅威

警察庁は3月7日、2018年(1月〜12月)におけるサイバー空間の脅威情勢について、観測データ等を分析した結果を発表している。サイバー攻撃やサイバー犯罪の増加傾向だ。
資料によると、2018年にセンサー(警察庁が24時間体制で運用しているリアルタイム検知ネットワークシステム)により検知されたアクセス(探索行為等)の件数は、1日・1IPアドレス当たり2,752.8件と、前年の1,893.0件より大幅に増加している。
その特徴のうちの一つとしては、仮想通貨等を標的としたアクセスが、年間を通じて観測されている。
また、標的型メール攻撃も、前年の6,027件から6,740件と、近年増加傾向にあり、内訳としては「ばらまき型」攻撃が多数発生しており、全体の90%を占めている。

一方、サイバー犯罪も増加傾向にあり、2018年の検挙件数は9,040件。前年の9,014件より増加し過去最多となっている。その多くが「パスワード設定・管理の甘さにつけ込む手口」である可能性を示している。
資料では、不正アクセス禁止法違反容疑のうち、識別符号窃用型(IDやパスワードを悪用したもの)において、502件のうち278件の事案が「パスワード設定・管理の甘さにつけ込む手口」に該当すると説明している。
 
昨年9月、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は、政府のサイバーセキュリティに関する予算(2019年度予算概算要求)について発表した。
これによると、政府の2019年度予算概算要求額は852.8億円で、2018年度当初予算額である621.1億円から約230億円の増加となっている。
 
理由として、昨年1月に仮想通貨取引所コインチェックから約580億円相当の仮想通貨ネム(XEM)が流出したことや、9月にテックビューロが運営する仮想通貨取引所Zaifからビットコイン(BTC)など約70億円相当の仮想通貨が不正流出したことが挙げられるとしている。

今後、インターネットにあらゆるものが繋がるIoT時代がやってくる。
便利になる反面、不正にコンピューターへアクセスして、個人情報などを盗み取ろうというハッカーや、ウイルスを拡散させるサイバーテロを行う集団も急増して行くだろう。
そのようなコンピューターへの不正侵入を防ぐのが、サイバーセキュリティで、目に見えない敵をブロックする。

個人ではなく企業や組織、国家レベルで論議を進める問題であることはいうまでもない。
世界的にサイバー攻撃は激しさを増す一方で、国家安全保障の観点から各国政府は積極的に対策を講じなければならない状況にある。
株式市場では、こうした背景を受けてサイバーセキュリティ関連株にテーマ買いの動きが顕在化しつつある。

■サイバーセキュリティ関連銘柄一覧
 
銘柄コード 銘柄名 業務内容
3857 ラック ソフト開発会社。情報セキュリティ技術に強み。KDDIと資本提携、関係強化。
3692 FFRI サイバーセキュリティ製品の研究開発や販売を手掛ける。ウイルス検知技術に強み。
2326 デジタルアーツ 有害情報遮断フィルタリングソフトで国内首位。公共、企業向け事業を強化。
3042 セキュアヴェイル 情報セキュリティの設計・構築・監視。24時間有人対応。ログ分析サービスも。
4736 日本ラッド システム開発会社。企業向け業務用ソリューション開発が主力。AI自動生成技術も。
3916 デジタル・インフォメーション サイバー攻撃に備えるセキュリティシステムを構築。金融、通信企業などが顧客。
3694 オプティム 情報端末管理ソフトをクラウドで提供。遠隔操作のソフトに強み。保有特許多数。
4704 トレンドマイクロ 法人用ウイルス対策ソフトで国内首位。世界でも高シェア。「ウイルスバスター」が主力。
4847 インテリジェント ウェイブ 大日本印刷傘下。クレジットカード決済システム開発で首位。セキュリティ関連を強化。
3968 セグエグループ セキュリティーソフトやITインフラ製品を輸入・販売。SE派遣や自社開発品も注力。
3918 PCIホールディングス 自動車や重機・建機など組込ソフト開発。半導体開発やIoT、業務ソフトも注力。
3837 アドソル日進 ソフト開発老舗。大企業向け大規模システム開発に強み。IoT・セキュリティ関連に注力。

 
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