NYダウ反発179ドル高、雇用統計受け長期金利が低下
![]() |
【市況】NYダウ反発179ドル高、雇用統計受け長期金利が低下 |
4日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比179ドル35セント(0.5%)高の3万4756ドル39セントで終えた。
4日発表の5月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数は前月比55万9000人増加したが、市場予想を下回る伸びとなった。失業率は低下したものの、FRBが景気支援策の撤回に対し、慎重な姿勢を崩さないとの見方が強まる中、買い安心感が広がった。
雇用統計を眺めて長期金利は低下し、ハイテク株への買いが膨らんだほか、原油相場高につれてエネルギー株が堅調な値動きを示し、取引終盤にダウは5月7日に付けた終値ベースの史上最高値(3万4777ドル)に迫った。
発表を受けて量的緩和の縮小観測が後退し、米長期金利は一時前日比0.07%低い1.55%をつけた。金利低下で相対的な割高感が薄れたハイテクなど高PER(株価収益率)株が買われた。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップル、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが買われた。
ただ、雇用の拡大基調が続いていることは確認され、雇用統計は景気回復期待を補強する内容だった。工業製品・事務用品のスリーエムやクレジットカードのビザなど景気敏感株一角も買われ、ダウ平均の上昇を支えた。原油高を受け、石油のシェブロンも高い。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比199.982ポイント(1.5%)高の1万3814.489で終えた。主力ハイテク株は軒並み上昇したほか、電気自動車のテスラは5%高となった。エヌビディアなど半導体銘柄も全面高だった。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,756.39+179.35
S&P500種
4,229.89+37.04
ナスダック
13,814.489+199.982
NY金(ドル/トロイオンス)
1,873.30−36.60
NY原油(ドル/バレル)
69.43+0.62
円・ドル
109.52 - 109.54−0.31

4日のシカゴ日経平均先物は続伸。6月物終値は、前日比125円高の2万9120円で引けた。大阪取引所の終値は190円上回った。
雇用統計を眺めて長期金利は低下し、ハイテク株への買いが膨らんだほか、原油相場高につれてエネルギー株が堅調な値動きを示した。
雇用拡大の継続が確認されたことを受け、米株が上昇。日本株先物もつられて上げた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29120 ( +190 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29125 ( +195 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
4日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら反発した。前日の終値に比べ4.69ポイント(0.1%)高の7069.04で引けた。構成銘柄の5割超が上昇した。
午前は売りが先行していたが、引けにかけて買いに転じた。4日に発表された5月の米雇用統計を受けて米国市場が株高となり、買いが波及した。
銅相場の上昇を背景に主力の鉱業株が買われ、相場を押し上げた。医薬品株とハイテク株も上げた。時価総額の大きい銀行株を筆頭に金融株は下落した。欧米の長期金利の低下で利ざや縮小を意識した売りが出た。石油株も下げた。
個別銘柄ではオンライン食品販売オカド・グループが3.0%高、高精度測定・医療機器レニショーが2.6%高、賭け屋大手エンテインと医療・安全装置メーカーのハルマ、オンライン食品デリバリー大手ジャストイート・テークアウェイが2.1%高と買われた。
一方、航空機エンジンのロールス・ロイスの下げが目立った。保険大手プルーデンシャルと金融大手HSBC、英銀大手のロイズ、同バークレイズは1.0%から1.3%下落した。米雇用統計が予想より軟調だったことで国債利回りが低下した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
4日のドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日と比べて60.23ポイント(0.4%)高の1万5692.90と、6月に入り連日で過去最高値を更新した。
午前は利益確定の売りがやや優勢だったが、午後に米株市場の株高が波及し買いが優勢になった。
個別では、医薬・化学大手のメルクが高かった。半導体のインフィニオンテクノロジーズとIT(情報技術)のSAPも上げた。米市場のハイテク株高に連れ高した。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズは続落し、ドイツ銀行も安かった。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は上昇に転じた。