NYダウ反落61ドル安、ナスダックは最高値
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【市況】NYダウ反落61ドル安、ナスダックは最高値 |
26日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比61ドル92セント安の3万3981ドル57セントで終えた。
商品相場の上昇で採算が圧迫されるとの見方から、消費関連株の一角が売られた。半面、今週に決算発表を控える主力ハイテク株には先回りの買いが入り、相場を下支えした。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は2カ月半ぶりに過去最高値を更新した。
今週はアマゾン・ドット・コムやフェイスブック、アップルなどの主要IT企業の決算や1〜3月期の米国内総生産(GDP)速報値が発表されるほか、FOMCも開催される。ダウは手掛かり難で重要な材料待ちとなる中、方向感に乏しい展開が続いた。
朝方は業績期待が広がる中、ダウ平均は買いが優勢となったが、取引中盤以降は弱含みに推移した。米商務省がこの日発表した3月の耐久財受注は前月比0.5%増と、2月からプラス転換したが、市場予想(2.3%増)を下回った。
ロンドンの銅3カ月物は26日に急伸し、9年9カ月ぶりの高値を付けた。世界的な在庫低下を背景にトウモロコシや大豆など穀物も大幅高となった。商品高が原材料価格の上昇につながり、収益の重荷になるとの見方から消費関連株が売られた。ダウ平均の構成銘柄では日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、飲料のコカ・コーラ、小売りのウォルマートの下げが目立った。
今週はバイデン米政権が子育て支援などを軸とする「米国家族計画」を発表する。富裕層向けに株式などの譲渡益(キャピタルゲイン)課税の税率を引き上げ、財源とする方針と伝わっている。27〜28日には米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。一連の重要日程を控えて様子見の投資家も多く、景気敏感株はまちまちだった。
一方、今週に決算発表が集中する主力ハイテク株には業績期待の買いが入った。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが小幅に上昇。ダウ平均の構成銘柄以外では、電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コムが買われた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関連株も総じて高い。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比121.968ポイント高の1万4138.776と2カ月半ぶりに過去最高値を更新した。
S&P500種株価指数は続伸し、前週末比7.45ポイント高の4187.62とほぼ1週間ぶりに過去最高値で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,981.57−61.92
S&P500種
4,187.62+7.45
ナスダック
14,138.776+121.968
NY金(ドル/トロイオンス)
1,780.10+2.30
NY原油(ドル/バレル)
61.97−0.17
円・ドル
108.06 - 108.12+0.35

26日のシカゴ日経平均先物は小幅に上昇した。
6月物は前週末比20円高の2万9235円で引け、26日の大取終値を65円上回った。
強い企業決算や回復期待に寄り付き後、上昇した。その後、ディーズ国家経済会議(NEC)委員長が所得100万ドルを超える納税者に対するキャピタルゲイン課税を週内に提案する可能性を示唆したことが警戒され、ダウは下落に転じた。ナスダック総合株価指数が2カ月半ぶりに過去最高値を更新し、日経平均先物に買いが波及した。今週は27〜28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれるほか、バイデン政権が子育て支援を軸とする「米国家族計画」を発表するため、模様眺めムードもあった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
29235 ( +65 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
29250 ( +80 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6963.12(+24.56)
26日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前週末の終値に比べ24.56ポイント高の6963.12で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
新型コロナウイルスワクチンが普及し、英経済の回復基調が強まっている。イングランド銀行のブロードベント副総裁が週末、「今後2四半期は非常に急速な成長となる」と述べたことで、景気楽観論が広がった。ただ、外為相場のポンド高が上値を抑えた。
銅相場の大幅高を追い風に主力の鉱業株が買われ、相場の上げをけん引した。石油株にも買いが広がった。米国市場での金融株や航空株の上昇に連れ高した。
個別銘柄では、航空機エンジンのロールス・ロイスと航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が高くなった。産銅大手アントファガスタ(4.3%高)、資源大手グレンコア(3.4%高)、鉱業大手アングロ・アメリカン(2.2%高)など資源株も軒並み締まった。
半面、外国為替市場のポンド高が業績の重荷になる多国籍企業株は下落し、酒類のディアジオやたばこ株などが売られた。オンライン食品販売オカド・グループも1.8%安と軟調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15296.34(+16.72)
26日のドイツ株式指数(DAX)は小幅に反発した。終値は前週末と比べて16.72ポイント高の1万5296.34だった。
午前は小動きだったが、午後に米株高が波及し買いが優勢になった。
個別では、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズが高かった。自動車のダイムラーは、複数のアナリストが目標株価を引き上げたことを手掛かりに上げた。オンライン食品販売オカド・グループも1.8%安と軟調だった。BMWも上昇した。フォルクスワーゲン(VW)は下落した。ドイツ取引所が安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6275.52(+17.58)